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新たな物流マーケット化へ期待

国交省、物流考慮建築物の指針策定へ検討会

2016年11月14日 (月)

ロジスティクス国土交通省は14日、建築物内へのスムーズな貨物の搬入や屋内移動の確保を図り、交通・環境へ与える影響を抑制しつつ、建築物や地域の魅力を高める「物流を考慮した建築物の設計・運用」に関する指針策定に向け、産学官で構成する検討会を設置すると発表した。

6月に閣議決定された「日本再興戦略」で2016年度中に「物流を考慮した建築物の設計・運用ガイドライン」を策定することが盛り込まれ、国交省の生産性革命本部でも「オールジャパンで取り組む『物流生産性革命』の推進」プロジェクトとして物流の効率化・高度化に向けた施策の一環として推進することになっていた。

16日に初会合を開き、検討していく論点を確認するとともに、関係者からの報告を受け、調査計画についても話し合う。

物流を考慮した建築物は、一部の大規模商業施設などで館内物流として導入事例が増えてきたほか、東京都心部や福岡市天神地区、「藤沢サスティナブル・スマートタウン」などで都市内・域内の物流マネジメント手法として実証実験が行われ、本格導入へと進むケースも見られるようになってきた。

こうした館内物流や都市内・域内物流を国が主導して普及を目指す動きにつながった背景には、日本物流団体連合会(物流連)が国主導の制度づくりを提唱してきたのに加え、大規模建築物の建設が進む「2020年東京オリンピック・パラリンピック」で計画的な物流管理が求められているという事情がある。

建築業界の賛同や協力が得られるのを前提としたものだとはいえ、国が設計・運用ガイドラインを策定することにより、館内・都市内物流の導入が広がり、物流の新たなマーケットとして成長する可能性が見えてきたといえそうだ。

■物流を考慮した建築物の設計・運用検討会委員
学識経験者:秋山哲一氏(東洋大学理工学部教授)▷大沢昌玄氏(日本大学理工学部教授)▷苦瀬博仁氏(流通経済大学流通情報学部教授)

関係事業者団体など:荒木治彦氏(三菱地所丸の内開発部長)▷尾﨑勝氏(東京建築士会副会長)▷金嶋知二氏(全日本トラック協会引越部会副部会長)▷桐山裕之氏(日本ロジスティクスシステム協会運営委員会委員)▷西田光宏氏(日本百貨店協会常務理事)▷村上哲也氏(日本ショッピングセンター協会事務局長)▷村上敏夫氏(日本物流団体連合会理事・事務局長)▷山内信幸氏(全国物流ネットワーク協会専務理事)▷山本昌史氏(日本自動車工業会大型車企画部会・実務者会議主査)

行政:太刀川浩一氏(警察庁交通局交通規制課長)▷林揚哲氏(経済産業省商務情報政策局商務流通保安グループ流通政策課長)▷重田雅史氏(国土交通省大臣官房物流審議官)▷平嶋隆司氏(国土交通省総合政策局物流政策課長)▷中田裕人氏(国土交通省土地・建設産業局不動産業課長)▷渡邉浩司氏(国土交通省都市局街路交通施設課長)▷橋本雅道氏(国土交通省道路局企画課道路経済調査室長)▷石崎和志氏(国土交通省住宅局建築指導長)▷加藤進氏(国土交通省自動車局貨物課長)