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TNT、医薬品向け大量輸送対応サービスを開始

2012年2月2日 (木)

メディカルTNTエクスプレスは2日、ワクチンやインスリンなど温度変化に敏感な医薬品を大量に輸送可能なヘルスケア業界向けサービス、「ファーマセーフ」の提供を開始したと発表した。

 

医薬品のサプライチェーンでは、航空貨物の場合、通常20以上の業者が関与することで起こりうる貨物の管理、可視性の欠如といったことが課題となっているが、ファーマセーフは医薬品サプライチェーンが直面するこうした問題に対処できるよう開発した。

 

多くの場合、問題は貨物が別の業者に受け渡された時点で起きており、その際に発生し得るリスクには、梱包のダメージ、通関手続きの遅れ、製薬会社に多大な損失をもたらし、医薬品の効用に影響を及ぼす温度管理のミスがある。世界保健機関(WHO)によると、輸送されるワクチンのうち4分の1が輸送の際のミスにより目的地到着時に品質低下が起きているとされる。

 

ファーマセーフは、他業者に依存せずに、TNTが自社で一貫して輸送サービスを提供、梱包から配送まで、サプライチェーン全体を管理する。自社の貨物輸送機、中継地や集荷・配送ネットワークを運用するだけでなく、通関手続きも社内の専門家が行う。また、「利用可能なサービスの中で最も優れたパッシブ・コンテナの一つ」であるva-Q-tainerを使用する。

 

va-Q-tainerは、高性能でコスト効率に優れた再利用可能なパッシブ・コンテナで、TNTのよると「このコンテナを使用する製薬会社に対して、保険会社が損害保険料を50%引き下げる場合もあるほど」だという。このコンテナは、厳しい外気温でも電力供給やドライアイスなしに、コンテナ内を求められる温度(冷凍、冷蔵、一定の室温)に120時間以上保つことができる。TNTは、事前に個別の貨物向けに調整され、すぐに貨物を積載・配送可能なva-Q-tainerのレンタル・サービスも提供する。

 

ファーマセーフでは、貨物を受け取ってから配送するまで、貨物の位置と温度をリアルタイムで追跡できるようにする。輸送中、センサーにより、va-Q-tainer内の温度、外気温を計測することが可能で、貨物輸送機で輸送中も計測が継続され、TNTの貨物輸送機で使用されるGSMトランスポンダーを介して、24時間リアルタイムに、TNTのファーマセーフマネジメントセンターに転送される。

 

この情報を基に、TNTエクスプレスは、顧客の手を煩わせることなく、あらゆる温度異常を検知、予測、修正することができる。また、貨物輸送後直ちに、詳細な輸送、温度報告書が顧客に送付される。新サービスは、欧州、中東、アジア、米国間、欧州域内で利用可能。