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輸送品質と労働時間短縮へ新たな試み

LNJが新輸送商品、関東・関西間「3分割スイッチ運行」

2017年6月8日 (木)

話題札幌通運と中央通運を傘下に持つロジネットジャパンは、日本貨物鉄道(JR貨物)と共同で鉄道・大型トラック・トレーラーを組み合わせた新たな輸送商品を売り出す。併せて愛知県小牧市に長距離幹線輸送の中継拠点を設け、関東・関西発着のトレーラーのトラクタヘッドを中継拠点でスイッチする取り組みを開始する。

貨物の空きスペース活用を中心に、鉄道貨物輸送の新たな販売方法とトレーラーのスイッチ運行などの輸送サービスをパッケージ化し、荷主企業に売り込む。幹線輸送におけるドライバー不足に対応しつつ、物流効率の向上につなげる狙い。

具体的には鉄道貨物輸送、トレーラー輸送、大型トラック輸送をセットにした輸送提案を「LNJ長距離幹線輸送セレクションR&R」の名称で商品化。リードタイムに余裕のある「急がない」輸送需要に対し、土・日・祝日の貨物列車の空きスペース、平日の特定時間帯の貨物列車の空きスペースを活用し、JRコンテナによる発送を荷主企業に提案する。

▲空きのあるダイヤを使った JRコンテナ発送イメージ

また、関東・関西間の輸送を対象に、関東エリアの集荷・配達業務を切り離し、幹線輸送のトレーラをけん引するトラクタヘッドと別のヘッドで行う。

さらに8月に小牧市で新センターを立ち上げることで、(1)関東エリアの集配(2)関東・中部間の輸送(3)中部・関西間の輸送――に運行経路を3分割。これにより、1台のトレーラを3台のヘッドが交代でけん引することとなり、ドライバーの運転時間を短縮することに加え、集配時間に柔軟さをもたらす効果も期待できるようになる。

▲トレーラーのヘッドスイッチ運行イメージ

物流業界では関東・関西間に中継拠点を設ける取り組みが進んでいるが、今回の「3分割ヘッドスイッチ輸送」は関東エリアの集配業務を切り離すことにより、荷主に柔軟なスケジュールが提案できる余地と、ドライバーの長時間労働を改善する効果の「一石二鳥」が見込める、さらに踏み込んだものだといえよう。