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オイシックス大地の海外向け生鮮品輸送に導入

ヤマト、パレット単位の定温航空輸送開始

2017年7月4日 (火)

ロジスティクスヤマトホールディングスは4日、傘下のヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL、東京都中央区)が、パレット単位で輸送する果物、野菜や日本酒などの温度管理が難しい生鮮品の品質や鮮度を保持したまま、コストを抑制する新たな航空輸送サービスの本格展開を3日から開始したと発表した。

サービス名は「ヤマトナチュラルエアカーゴ」で、最初の利用者としてオイシックスドット大地(東京都品川区)が運営する「Oisix香港」に同サービスを導入した。

顧客が自社の倉庫から羽田クロノゲートに商品を搬入した後、クロノゲート内の保冷エリアで特許を取得した「温度を一定に保つ独自の資材」と特殊梱包をパレット単位で行う。その後、通関処理を行い、航空会社に搬入。特殊梱包により最終目的地まで温度管理を行った状態での輸送が可能になる。また、輸送は一般貨物扱いとなるため、保冷コンテナでの輸送時と比較してコスト削減にもつながるという。

これまで、パレット単位で温度管理が必要な生鮮品を海外に航空輸送する場合、冷蔵コンテナに入れて輸送する方法が一般的だったが、冷蔵コンテナを利用すると輸送コストが上がり、商品によっては低温の影響でダメージを受けてしまうため、品質管理が課題となっていた。

また、空港では保冷施設で一時的に保管を行っているが、フライト中は常温状態となるため、一定の温度管理が出来ていない状況だった。一方、コストを抑えるために常温で輸送を行うと到着地などで適切な温度管理ができず廃棄ロスが増えるなど、同に品質管理が課題だった。

YGLはパレット単位で国際航空輸送する際の定温輸送の方法や、商品へのダメージ軽減策、コスト削減策オイシックスドット大地と協力し研究を続け、新サービスの商品化に至った。

オイシックスドット大地は国内だけでなく、香港でも商品の販売を開始したが、定温管理が必要な果物、野菜などの最適な輸送方法がなく、現地に到着した生鮮品の一部が劣化するため、廃棄するケースもあった。

そこで、YGLとともに開発したヤマトナチュラルエアカーゴを導入した結果、香港到着後の生鮮品のダメージが減り、従来比で15%廃棄ロスを削減。国際輸送の大きなハードルとなる輸送コストも、10%抑えることができた。

今後は同様の課題を抱える企業に利用を提案し、海外の顧客が「日本の高品質な生鮮品、食品などを日本国内と変わらない、新鮮な状態で受け取ることができるコールドチェーン」の構築を目指す。