環境・CSR日本郵船は27日、千代田化工建設、三菱商事、三井物産の4社と次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合を設立し、水素の国際間サプライチェーンの実証事業に本格着手すると発表した。
実証事業では、千代田化工建設が開発したSPERA水素技術を用い、ブルネイ・ダルサラーム国に水素化プラント、川崎市臨海部に脱水素プラントを2019年までに建設。20年にブルネイで調達した水素を常温・常圧下で液体の形で日本へ海上輸送し、川崎市臨海部で気体の水素に戻して需要家に供給する。
期間は17年8月から19年12月にかけてプラントを建設し、20年1月から12月まで実証運転を行う。1年間で最大210トン、燃料電池自動車フル充てん4万台分の水素を供給する。
実証事業は経済産業省の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」のフェーズ2実現に向け行うもので、20年以降の商用化への布石とするとともに、30年頃の発電事業用水素発電の本格導入の際に必要となる海外からの水素の大量輸送・供給技術の確立に取り組むもの。
15年12月にCOP21で採択されたパリ協定に基づき、今後温暖化ガスの排出削減が更に必要となるなか、燃焼時にCO2を排出しない水素の大規模発電分野での活用の実現に貢献する。
(画像:ブルネイ水素製造・水素化プラント)