話題千代田化工建設は5月31日、子安オフィス・リサーチパークで実施していた有機ケミカルハイドライド法による「大規模水素貯蔵・輸送システム」の実証試験で、「所期の性能を確認することができた」と発表した。
今回の実証試験は、トルエンに水素を固定(水素化反応)させ、メチルシクロヘキサン(常温常圧の液体)に変換して貯蔵・輸送し、同社が開発した脱水素触媒を用いてメチルシクロヘキサンから再び水素として取り出し(脱水素反応)、供給するシステムを対象としたもの。
LNGや液化水素などのような極低温技術を必要とせず、通常の石油タンクやタンカーを利用できる一連の工程を大規模水素貯蔵・輸送システムとして確立することで、これまで困難とされてきた水素の大量輸送や長期貯蔵が、商業ベースで可能であることを実証した。
今後、同社は「SPERA水素」の愛称で水素供給事業の確立を目指す。