味の素、核酸医薬品原料の生産能力増強

拠点・施設味の素は29日、連結子会社のジーンデザイン（大阪府茨木市）が、核酸医薬品原料（オリゴ核酸）の開発・生産拠点を同社研究所敷地内に新設すると発表した。オリゴ核酸の生産拠点としては国内最大規模となるもので、同社のオリゴ核酸の生産能力を大幅に増強する。

核酸医薬品は、これまで治療が困難だった疾患にも適用できるよう開発が進められていることから、国内外で市場成長が期待されている。

また、製薬業界では医薬品の製造技術の高度化に伴い、バイオ医薬品などの製法開発や製造で専門性の高い受託製造会社への依存度が高くなっている。

ジーンデザイン社は2000年に創業した国内有数のオリゴ核酸の開発・製造受託会社。17年4月に味の素がジーンデザイン社を連結子会社化したことにより、同社の固相合成法によるオリゴ核酸の少量多品種生産から、味の素の液相合成法による大量生産まで、一貫したオリゴ核酸の開発・製造受託が可能になる。

今回の新拠点の設立により、日本で初めて1ロット当たりの生産量がキログラム単位に拡大することから、ジーンデザイン社のオリゴ核酸の生産能力は現状の100倍に増強。同社の生産能力と味の素の持つ大量生産技術との組み合わせにより、従前のマイクログラムから100キロ超のフレキシブル且つシームレスな供給体制が構築される。

■新拠点の概要
名称：核酸医薬API開発センター
所在地：大阪府茨木市
投資額：非公開
生産能力：年間数10キロ
着工：2018年2月（予定）
稼働開始：2019年2月（予定）