サービス・商品ウェザーニューズ(WN)は25日、世界で初めてAI(人工知能)が対話形式で船長の運航判断を支援する次世代型運航支援プラットフォーム「SeaNavigator for Master」をリリースしたと発表した。船長は航路上や港湾の気象リスク、燃費やスピードの予測など、運航計画に直結する情報をAIに尋ねることができ、最新のデータに基づいて最適なルートを選定できるようになる。
同社は船舶の安全や経済性などを支援する航海気象サービスを手がけているが、これまでは海上の通信環境やセキュリティーの制約によって、大容量データをリアルタイムに提供することは困難だった。このため、詳細な最新データをリアルタイムで確認できる陸上の運航管理者と、船上の船長の間では情報の鮮度と量に大きな差があった。
しかし、最近のネットワーク環境の大きな改善で、陸上と同等のデータを安全に扱う技術的な基盤が整ったため、システムを刷新し、船長の支援を第一に考えた「SeaNavigator for Master」を開発した。
新たなプラットフォームでは、船上から最新の波や風の予測や座礁リスク、航海ルートのシミュレーションなどにアクセスが可能で、船長が自らの経験や膨大なデータ、AIの助言をもとに、安全性や経済性、定時性に配慮した最適な運航判断を下すことができる。
最大の特長は、船長の運航判断支援に特化したAI Agentで、船長は航海気象の専門家と対話するように、いつでも最新の気象や、航路上の波や風のリスク、燃費、スピードの傾向や予測などについて尋ねられる。さらに今後は、AIが推奨するルートや対応を根拠とともに提示し、船長が自分の考えと比較検討できるよう機能を向上させていく。
また、「航海ルートシミュレーション」の機能もあり、発着港や時間、基準となる波高を入力するだけで航海ルートを自動で計算し、台風や低気圧などの荒天リスクや船の過去の実績なども加えて、複数の気象リスクの影響度別のルートを提案する。船長はルートごとの航海時間や距離、燃料を確認し、最適なルートを決めることができる。
これまで陸上の運航管理者のみに提供していた船舶が浅瀬や漁船混雑エリアなどの座礁の危険性の高い区域への接近を計画した場合にリスクを伝える座礁対策支援サービス(NAR)の機能も搭載した。
このほか、これまでメールで行っていた陸上とのやり取りを、チャットでできるようにし、同じ画面を見ながら議論できるようにした。
すでに先行導入した海運事業者もあり、「これまで航海計画の承認を得るために重いファイルをメールでやりとりしていたが、ほぼリアルタイムで協議ができるようになった」などと高い評価を得ている。
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