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墺ams、追跡機能付き使い捨て温度ロガーを量産

2017年12月19日 (火)

話題オーストリアのセンサーソリューション会社、ams(オーストリアマイクロシステムズ)は18日、使い捨て可能で追跡機能を持つ高精度ワイヤレス温度ロガー向けNFCスマート・センサーIC「AS39513」を発表した。

スマートラベルへの組み込みが容易で、固有のID、温度ログ、内部メモリに保存したデータをスマートフォンやタブレットなどのNFCリーダーでの読み取ることが可能。このICを用いたスマートラベルにより、製造者、出荷担当者、小売店は、出荷ごとの個別パッケージの詳細な記録データを検査し、生鮮食品など、傷みやすい商品の納入状態を把握できるようになる。

AS39513は1個1.5Vの電池(2個まで)で電力が供給され、1020回までのタイムスタンプ付きセンサー測定値を保存することが可能で、ISO15693、NFC-V(T5T)規格に適合。NFC対応の携帯電話を使って数センチの範囲で読み取ることができる。

また、専用のISO15693リーダーを使用することで、読取範囲を1メートルから2メートルまで延長し、戸棚や冷蔵室内にある複数のAS39513タグを同時に読み取るといった利用法に対応する。

amsのSL13Aセンサータグからの置き換えが可能で、高性能温度センサーにより、マイナス20度から10度の重要な温度範囲ではプラスマイナス0.5度の精度、マイナス20度から55度の範囲ではプラスマイナス1度の精度を保証する。

同社はAS39513の統合型温度センサーについて「食料品、医薬品、ヘルスケアの部門で使用されるコールドチェーン(低温輸送)モニタリング製品での使用に最適」だとしている。

同社製「Cool-Logエンジン」を用いることにより、記録モードとタイミングを管理、設定することが可能。温度の測定値は、特定の間隔や温度が設定閾値を超えた時、外部デバイスからの信号を受けた時に取得する。

スタンバイ電流はわずか2マイクロアンペアの消費で、30ミリアンペア時の電池1つで1年以上、温度データを自律的に記録するため、例えば産地から消費者にまで一貫した商品のタグ表示が可能になる。AS39513はパッシブモードで動作し、読取装置のRF(無線周波数)フィールドからエネルギーの供給を受け、外部回路へ1.8V時で最大3ミリアンペア時の電流を供給する。

同社のマーケティング担当者は「AS39513は完全統合型のスマート・ワイヤレス・センサーで、製造者、出荷担当者、小売店は医薬品、食料品、その他の製品が適切に保存、輸送されていることを確認することができる。これにより、彼らは個々のパッケージの周辺温度やその他の条件に関する詳細な記録を取得することができるし、必要なときは出荷を拒否することも可能となる。さらに、印刷電池と共に最新のRFID組立プロセスを使用することで、当社の顧客は製造コストを削減し、RoHS、REACH、EU指令2006/66/ECといった環境保護に関する最も厳格な規制への適合性を確保することができる」と説明している。

同製品は現在、量産中で、発注数量は5000ユニット単位。評価ボード、Android OSで動作するデバイス用サンプル・アプリを含むデモ用キットをオンライン・ショップから取り寄せることができる。