セイノーHD、非常用発電設備の負荷試験事業参入

環境・CSRセイノーホールディングスは14日、新規事業として今月中旬から関東を中心に非常用発電設備の負荷試験事業を開始し、年内に全国へ展開すると発表した。

同社オープンイノベーション推進室が取り組む新たな事業の軸を生み出す活動の最初の事例として設立した「セイノーメンテック」が中心となり、発電設備の負荷試験を実施したい企業へ可搬型の負荷試験装置を持ち込み、消防法で定められた設備の点検を行う。

試験装置は正興電機製作所（福岡市博多区）と共同開発した回生式のものを用い、自社グループの輸送機能と組み合わせて作業負担の軽減を図りながら負荷試験ニーズに対応する。

消防法では、不特定多数の人が出入りする特定の施設に対し、停電時にスプリンクラーや消火栓などの消火設備に電力を供給する非常用発電設備の設置を義務付けており、毎年1回負荷試験を実施して発電能力を確認することが定められている。

しかし実際には設備管理者に対する指導監督が不十分などの理由で点検を行っていないケースがあり、東日本大震災では発電設備がメンテナンス不良で稼働しないものがあった。

震災後はコンプライアンス意識の高まりや南海トラフ巨大地震、首都直下型地震といったリスク管理の観点から、負荷試験を実施する企業が増えてきているが、試験装置や作業者が足りず、発電設備を点検・整備する体制も整っていないことから、需要が大きいと判断して新規事業として取り組むことを決めた。

セイノーメンテックが行うサービスでは、グループの全国輸送網を活用して点検場所へ負荷試験装置を輸送し、1つの試験装置を複数の作業者が共用して利用する「試験装置のシェアリング」によってコストを抑えつつ、装置輸送に伴う作業者の負担も減らすよう配慮する。

今後は自動車整備業界や電気工事業界と段階的に事業提携し、点検・整備の対応エリア拡大していく。

■セイノーメンテック概要
所在地：東京都中央区日本橋浜町2-18-7
設立：2017年12月1日
電話：03-3667-0090
ホームページ：http://www.seino.co.jp/smt/