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ホルムズ危機が国内物流に直結、中東原油9割依存

2026年3月1日 (日)

(イメージ)

ロジスティクスイラン革命防衛隊(IRGC)の通過禁止放送でホルムズ海峡が実質的に通過困難となり、日本の国内物流にも影響が及ぶ懸念が強まっている。原油価格が上昇すれば軽油・重油の価格も上がり、トラックや内航船の輸送コストに直結する。燃料サーチャージによるコスト転嫁が進んでいない中小運送会社ほど負担が重くなるおそれがある。(編集長・赤澤裕介)

背景にあるのは日本のエネルギー調達構造の脆弱性だ。資源エネルギー庁のエネルギー白書によると、日本の原油輸入に占める中東依存率は9割を超える。その大半がホルムズ海峡を経由しており、同海峡の混乱は日本の燃料供給に直結する。

2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃後、海外メディアによると日本郵船・商船三井がホルムズ回避に動いた。海上ではサウジアラビア・イラク・UAE向け原油船のUターンが相次ぎ、カタール向けLNG船も14隻以上が減速・停止している。カタールは世界のLNG供給の2割を占め、日本にとっても主要な調達先にあたる。

現時点で機雷敷設や船舶の拿捕は報告されていない。しかし戦争リスク保険料が数倍に急騰し、保険の取得自体が困難になっていることで、物理的な封鎖がなくても船が通れない状態が生まれている。通過再開の見通しは立っていない。

紅海との同時不安定化、迂回先も限られる

日本は2024年の紅海危機でも喜望峰回りへの迂回を経験したが、当時はホルムズ海峡が機能していたため原油・LNG(液化天然ガス)の供給自体は維持できた。今回は紅海とホルムズの両方が同時に不安定化しており、迂回先すら限られるという点でより深刻な状況にある。超大型原油船(VLCC)の日額運賃は20万ドルを超える水準に達したとの報道があり、海上輸送のコスト上昇はすでに始まっている。

物流企業や荷主にとって、当面の選択肢としては在庫水準の引き上げ、調達先の分散(豪州・米国産など中東以外の原油・LNG)、戦争リスク保険の条件確認が挙げられる。ただしいずれもコスト増を伴い、短期間での切り替えには限界がある。事態の推移を注視しつつ、自社のサプライチェーンがホルムズにどの程度依存しているかを点検することが急務になっている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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