ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

荷主企業が今確認すべきこと、ホルムズ・紅海危機

2026年3月1日 (日)

ロジスティクスホルムズ海峡の通過困難と紅海でのフーシ派攻撃再開宣言が重なり、海上物流の不透明感が急速に高まっている。原材料や部品を海外から調達する荷主企業にとって、自社のサプライチェーンがこの危機にどこまで影響を受けるかを早急に見極める必要がある。今の段階で確認しておくべきポイントを整理した。(編集長・赤澤裕介)

最初にやるべきは、自社の調達品がホルムズ・紅海をどの程度経由しているかの把握だ。中東から原油・化学品を輸入している場合は直接的な影響を受ける。欧州からの部品・製品もアジア‐欧州航路が喜望峰回りに切り替わることで15-20日の遅延が見込まれる。調達先の国名だけでなく、実際の輸送ルートと所要日数をフォワーダーや物流事業者に確認しておきたい。

その上で、影響を受ける品目ごとに現在の在庫が何日分あるかを洗い出す。2024年の紅海危機では、初動で在庫状況を把握し手を打てた企業とそうでない企業で、その後の対応力に差がついた。在庫の積み増しが望ましい局面ではあるが、倉庫の空きや資金負担の制約もあり、すべての品目で対応できるとは限らない。まずは影響の大きい品目を特定し、優先順位をつけることが現実的な一歩になる。

運賃・保険の追加コストを事前に把握

運賃や燃料サーチャージの契約条件も確認が必要だ。船社は緊急割増料金(ECS)の引き上げに動いており、APモラー・マースク(デンマーク)は3月15日出発分からECSを倍増する。こうした追加コストが自社の契約にどう反映されるか、フォワーダーや船社に問い合わせることで、今後のコスト増の規模感をつかめる。交渉余地が限られる場合でも、影響額を早めに把握しておくことで社内の意思決定を早められる。

貨物保険の戦争リスク条項も見直したい。紅海・ホルムズ周辺の戦争リスク保険料はすでに数倍に急騰している。自社の貨物保険がどの範囲までカバーしているか、追加保険料が発生する条件はどうなっているかを保険会社や代理店に確認しておく必要がある。

エネルギーや原材料の調達先を中東以外に分散することは中長期的な課題だが、個別の荷主企業が短期間で動かせる領域ではない。まずは自社が受ける影響の全体像を把握し、優先度の高いリスクから手を打っていくことが、この局面での現実的な対応になる。

▲荷主が確認すべき実務ポイント(クリックで拡大)

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。