時速500キロの移動中も途切れぬ高速通信にメド

話題情報通信研究機構（NICT）は26日、無線局の切り替えが頻発する「時速500キロの移動体」でも接続が切れないネットワークの実現に道を開く技術を開発した、と発表した。

NICTが開発したのは、高速鉄道の走行に合わせ、通信が途切れないように無線局を適時切り替える通信方式で、光ファイバーを介してミリ波信号を伝送できるファイバー無線技術を用い、毎秒20ギガビットの大容量通信に成功した。

線路に沿って無線局を設置するリニアセル方式と無線信号を光ファイバーへ重畳するファイバー無線技術を駆使し、高速移動中に通信を途切れさせないよう無線局を適時切り替える方式を開発。現在の携帯電話回線の20倍以上となる毎秒20ギガビットの無線信号を送信することができた。

NICTでは、今回の実験結果について「将来の時速500キロを上回る超高速鉄道など、無線局の切り替えが頻発する移動体でも円滑な高速通信が可能となることを示した」とアピール。

今後はファイバー無線ネットワーク技術の実装に向け、総務省の研究開発プロジェクトを通じて日立国際電気、鉄道総合技術研究所、海上・港湾・航空技術研究所電子航法研究所などと共同で実際の鉄道路線で実証試験を行う。