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サカイ引越2支社エアコン957台横流し、会社ぐるみ否定

2018年6月12日 (火)

事件・事故経済産業省と環境省は12日、サカイ引越センターの奈良支社・奈良南支社で、顧客から無償で引き取ったエアコンがスクラップヤード業者に有償で引き渡され、製造業者に引き渡すことを義務付けた家電リサイクル法に違反していたと発表した。

経産省と環境省が5月11日に同社への立入検査を実施して判明した。これを受け、サカイは全支社を対象に調査を実施。この結果、(1)2015年4月から18年4月までの間に2支社で957台のエアコンが、“製造業者以外”へ引き渡されていたこと(2)こうした不適切な処理に関与していた社員が3年間で延べ37人にのぼること(3)有償で引き渡した際の代金は会社の収入として扱われず、関与した社員が得ていたことーーなどが明らかになったという。

また、家電リサイクル法では、小売業者に対し、排出者から引き取った廃家電は製造業者に引き渡す義務が課せられているため、経産省と環境省は12日、サカイに適切な管理を求める「勧告」を行うとともに、6月から1年間、2支社の毎月の廃家電引き取り・引き渡し状況とコンプライアンス体制の強化を含む再発防止策の四半期ごとの実施状況を報告するよう命じた。

また、ほかの引越し業者や小売業者についても同様の事案を行っている可能性があるとして、業界団体を通じて注意を喚起する。

環境省では、引越業者がエアコンを無償で引き取っていることもこうした不正の温床になり得るとして問題視しており、今後は家電リサイクル法に定められている通り、引越利用者がリサイクル券を購入して適正に処理することを求めるよう指導していく考えだ。

また、同社は取材に対し「会社ぐるみの行為でなく、支社の社員によるもの」として、関与した社員37人に最高で懲戒免職の社内処分を実施した、と説明。エアコンは1台あたり3000円から5000円で売却されていたが、同社の主張通りであれば関与した社員が不正に売却代金を得たことになるため、警察への告発も「検討中」(サカイ引越センター)だとしている。