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エベレストでドローン飛行成功、京東「物流活用に期待」

2018年6月26日 (火)
空白

話題中国消費者向けに日本商品などを販売する越境ECサイト「京東商城」(JD.com)を運営している京東集団(北京市)は26日、物流子会社の京東物流が開発した3種のドローンが、中国国内にある標高5566メートルのエベレスト・ベースキャンプ地で、飛行テストに初めて成功したと発表した。

京東物流のドローン機は、これまでに標高5500メートルまでの地域で物流配達やテストを実施してきたが、標高の高い土地や低気温、山あいで複雑に変化する気象条件など、難度が高い標高5500メートル以上の地域でテストに成功したのは、今回が初めて。

飛行試験に成功したドローン機は、「V3」固定翼機型ドローン、「Y3」6軸マルチコプター型ドローン、小型の固定翼ドローンの3種で、すべて京東集団が自社開発した。

飛行テストは1週間にわたって行われ、V3とY3型は標高5000メートル以上、重さ5キロの積載物を載せた状態で安定した飛行をみせ、小型ドローンについては標高5556メートル以上の飛行高度を達成した。

これらの結果に、同社は「今後、標高の高い地域への物流や物資補給、地形計測や緊急時の捜索救難活動など、さまざまな分野での活用が期待できる」としている。

広大なチベット高原は人口が少なく、インフラ整備や気候的な問題から物流に課題を抱えていて、同社は「ドローンの快速直送便が実現できれば、配送速度の大幅な短縮や人的コスト、配送員の輸送リスク等を大幅に減少させることができる」と、ドローンの物流活用に期待を寄せている。

■JDドローンテストチームのメンバー、劉城斌氏の話
「標高5000メートルある上空の大気密度が半分近く下がるため、ドローンの上昇にはさらに強い動力が必要とされる。加えて高い消耗度と低温環境作業を強いるため、電池の持続力には極めて高い要求が求められる。標高の高い地域の上空の風速も強く、気温も低いので、飛行制御と情報伝送システムは十分な安定性を保持しなくてはならない。今回のテストは難度の高い条件下において素晴しい結果をみせることができた。今回のテストデーターをもとに、今後更なるアップグレードと実用化に向けて極めて大きな収穫があった」