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伊那市、ドローン物流事業化へ河川上空に「航路」

2018年8月30日 (木)

話題長野県伊那市は30日、河川の上空を「幹線航路」とするドローン物流システムを構築すると発表した。伊那市は国内自治体として初めてドローンによる物流の事業化を目指す。

▲伊那市ドローン物流事業プロジェクト概要(出所:伊那市、KDDI、ゼンリン)

伊那市のドローン物流プロジェクトにはKDDI、ゼンリンの2社も参画し、ドローンを用いた新たな物流システムを構築することで、中山間地域の買い物弱者支援と地域経済の振興を図る。

プロジェクトは「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」「INAドローンアクア・スカイウェイ事業」の2事業で構成し、空飛ぶデリバリーサービス構築事業では、ドローンを活用した荷物配送サービスの実用化に向け、各地で目視外飛行実験を積み重ねてきたKDDIの「スマートドローンプラットフォーム」を活用。地元スーパーや道の駅などと連携した具体的なビジネスモデルの構築を目指す。伊那ケーブルテレビジョンがケーブルテレビを介した商品の受発注の仕組みづくりを進める。

INAドローンアクア・スカイウェイ事業では、ゼンリンの「空の三次元地図」をベースに、伊那市の南北に流れる天竜川、東西に流れる三峰川の上空域をドローンの長距離幹線航路として、中心市街地と中山間地域などを結ぶサプライチェーンの形成を目指す。ゼンリンは、これまでのドローン管制などの技術やノウハウを活かし、「商品の小口化、大量化、輸送の多頻度化への対応」を進める。

また、2つの事業を通じて構築するシステムは、伊那市内の製造業者などと「共創」によって開発を進めることで、地域経済の振興や産業の活性化にもつなげていく。

■空飛ぶデリバリーサービス構築事業
道の駅「南アルプスむら長谷」を拠点に、中山間地域内でのドローンを活用した荷物配送の仕組みを構築する。物流用ドローンによる輸送の確実性、安全性、採算性の確保など実用化に向けた運用の仕組みづくりを行う。

業務委託予定者:KDDI
機体:プロドローン
管制システム:テラドローン
地図情報:ゼンリン
商品受発注:伊那ケーブルテレビジョン

■INAドローンアクア・スカイウェイ事業
河川上空域をドローンの目視外自律飛行ルートとし、中心市街地と中山間地域を結ぶ新たな物流の仕組みを構築する事業だ。20キロにわたる河川上空に特化したドローンの幹線空路の開設、効率的かつ高度なロジスティクスの確立を図る。
業務委託予定者:ゼンリン
通信:KDDI
気象情報:一般財団法人日本気象協会
機体:プロドローン
物流知見:国立大学法人東京海洋大学
コンサルタント:三菱総合研究所
商品:ニシザワ、菓子庵石川(伊那まちの再生やるじゃん会)