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ゼンリン、河川上空に空の道構築しドローンで配送

2021年11月16日 (火)

▲道の駅のドローンポートを出発する様子(出所:ゼンリン)

国内長野県伊那市とゼンリンは16日、中山間地域の買い物支援をドローンで実現する新たな公共配送サービスの提供を開始する。これまでも道の駅を拠点としたドローン配送サービスは提供してきたが、自治体が距離10キロ以上におよぶ河川の上空をドローンの飛行経路として利用する実用サービスは初めて。

このドローン配送サービスは、伊那市とゼンリンが2018年から「INAドローンアクア・スカイウェイ事業」として実証を重ね、構築したもので、人口減少や少子高齢化の進行で中山間地域の買い物困難者が増える中、地域住民や地元企業と連携し、高精度な3D地図データを活用することで、河川上空を「空の道」として整備し、実現したもの。

幅の狭い河川の上空をドローンの長距離飛行ルートとして活用するためにコントロール精度を高めることで、ドローンで常時、日用品を配送するサービスとして提供する。

▲ドローン長距離配送サービス配送エリア(クリックで拡大、出所:ゼンリン)

伊那市とゼンリンは2020年8月からドローンによる配送サービスを提供しており、利用者がケーブルテレビの画面や電話で商品を注文すると、配送元となるスーパーが連絡を受け次第、商品のピッキング作業を実施。

その後、サービス担当者がスーパーへ赴き、商品を引き取り、道の駅「南アルプスむら長谷」のドローンポートに商品を持ち込んでドローンに積載。ドローンは空の道を利用し、利用者宅周辺の着陸地点へと向かう。着陸地点に到着すると、地区ごとのボランティアがドローンから商品を受け取り、利用者宅へ配達する。

今回、10キロ以上の長距離飛行が実現したことにより、新たに市野瀬、杉島の2地区でドローン配送が利用できるようになった。ボックスは着脱式を採用し、輸送商品のサイズと温度管理の問題を解決。積載可能量も最大30キロ(推奨20キロ)を実現した。