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京都市中央卸売市場でIoTインフラ導入実証

2018年9月28日 (金)
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調査・データ凸版印刷、テクサー(京都市下京区)、公益財団法人京都高度技術研究所(同)は28日、低消費電力広域ネットワーク規格のひとつ「ZETA」(ゼタ)を活用したIoTインフラの整備に向け、10月1日から京都スマートシティ化実証事業を開始すると発表した。

7月に連携・協力協定書を締結し、下京区を中心に実証実験のためのIoT向けデータ通信インフラを整備、ZETAのアクセスポイントを京都高度技術研究所棟の屋上に設置し、周囲2-5キロの範囲でZETA無線通信の接続を確認した。

三者は、ZETAを活用したIoT導入実証実験の第一弾として、京都市中央卸売市場で、施設内の温度管理、廃棄物の投棄対策、作業車両の動線監視のためのソリューションの検証に取り組む。

ZETAは、少量のデータを多数のIoT端末から収集する方法として、省電力性と広域性に優れるLPWAの規格のひとつで、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、ほかのLPWAより少ない基地局で運用できるのが特徴。

実証実験は10月1日から2019年3月31日まで、京都市中央卸売市場にIoTを導入して施設内の温度管理、廃棄物の投棄対策、作業車両の動線監視を行う。

施設内の温度管理では、店舗や倉庫など温度を一定に保つ必要がある区域に複数の温度センサーを設置し、温度を常時モニタリングするとともに、変化が想定を超える場合の警報などのシステムの有効性を検証する。

また、廃棄物の集積を認めていない場所・時間帯に人感センサーなど複数のセンサー類を設置して監視。投棄や侵入を検知した場合に、警備員に通報するなどの監視システムの有効性を確かめる。

作業車両の動線監視では、市場内で使用されている運搬などの作業車両に発信器を取り付け、市場内の複数か所に受信器を設置してこれらの移動履歴を分析。荷さばき場や車両の待機場などの適性配置を特定する。

今後、テクサー、凸版印刷、京都高度技術研究所の三者は京都市内に整備したZETA通信網を活用し、京都スマートシティー化実証事業を進めていく。