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国交省、タンカー事故の補償適正化など提案

2018年11月5日 (月)

話題国土交通省は5日、国際油濁補償基金(IOPCF)第23回総会が10月29日から11月1日まで英国ロンドンで開催されたと発表した。タンカー事故の補償の適正化、条約の各国国内法への正確な取入れ、補償を拒否する保険会社の問題について、日本の意見が総会の決定に反映された。

国際油濁補償基金は、タンカーの事故により巨額の油濁損害が発生した場合に、その事故により損害を受けた被害者に対して適切な補償が行われるよう設立された国際機関で、ロンドンに本部が置かれている。基金は、タンカーで運ばれた油を受け取る事業者(石油元売り事業者など)が負担する拠出金により運営されており、日本は、インドに次ぎ2番目に大きな額を拠出している。

会合には、日本から国土交通省、石油海事協会、日本船主協会、日本海事センター、学識経験者が出席し、日本の意見の反映に努めた。

具体的には、タンカーの大型化に伴い、事故の際に基金が支払う補償額も大きくなることが想定されることから、拠出金を支払う事業者の負担も考慮し、基金による支払いが過大とならず、条約に従って適正に実施されるよう、日本は仮払いの適正な運用の必要性などさまざまな提案を行った。

条約の国内法への正確な取入れについては、一部加盟国で「CLC条約」などが国内法に正確に反映されていない例が事務局から報告され、事故が起きた場合に被害者の補償がすばやく行われない、または基金の支払額が過大となる懸念があるため、日本は基金に対し、他の加盟国についても継続調査するよう求めた。

不適切な保険会社の問題については補償の拒否や事実と異なる「ブルーカード」を発行する保険会社の問題に関する基金の中間報告について、日本は実現可能な対処法について最終報告を行うよう求めた。

ブルーカードは、保険内容がCLC条約に適合していることを証明する証書。