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人材成長投資課題は予算確保、タナベコンサル調査

2025年7月10日 (木)

調査・データタナベコンサルティンググループ(東京都千代田区)は10日、全国の企業経営者、役員、経営幹部などを対象に実施した「2025年度 経営者の成長投資アンケート」の結果を公表した。

人材育成への年間投資額については「年間1000万円未満」が64.4%で最多だった。一方、「年間5000万円以上」(年間5,000万円以上-1億円未満、年間1億円以上-5億円未満)と回答した企業はわずか3%で、大規模な育成投資は一部の企業に限られていることがわかった。

(クリックで拡大、出所:タナベコンサルティンググループ)

今後の人材育成の強化対象として「中堅・リーダー社員」(80.7%)や「管理職人材」(65.9%)が特に多く挙げられ、将来の経営・変革を担う次世代リーダーの育成ニーズが高まっていることがわかった。経営者人材に求めるスキルとしては「判断力(74.1%)」「問題解決力(73.3%)」「戦略構築力(67.4%)」といった、論理的かつ複雑な意思決定を担う能力が上位を占めた。これに続き「指導力」や「対話力」(いずれも60%)といった対人面でのリーダーシップも重視されている。一方、「事業革新力(36.3%)」など、変化への対応や新たな価値創出に直結する項目は相対的に低く、同社の分析によると企業が経営者に対して「現状を維持しつつ、冷静に物事を判断し、組織を着実に動かすこと」をより重視している傾向が読み取れた。

DX(デジタルトランスフォーメーション)ビジョンやDX戦略を「策定している」と回答した企業は全体の38.8%にとどまり、61.2%は「策定していない」と回答した。DXの進捗状況については「計画通りに進行している」との回答は32.1%にとどまり、「予定より遅れている」が48.8%で最多。また「取り組んでいない」との回答も2割弱(19.1%)となった。

現在の基幹システムへの投資金額の最多は「1000万円-5000万円」(39.7%)となり、「1000万円未満」を合わせると全体の63.6%が5000万円未満にとどまった。一方で、1億円以上を投資している企業は14.8%となり、投資規模が限定的である実態が明らかになった。今後の投資予算についても「1000万円-5000万円」が最多(33%)で、「1000万円未満」(20.6%)を合わせた割合は53.6%にのぼった。

海外事業を「展開している」と回答した企業は43.2%、「現在は展開していないが、今後取り組みを検討中」と回答した企業は18.3%となり一定の広がりを見せた。一方、「今後も取り組む予定はない」とする企業は38.5%となり、海外展開に対する関心や取り組み状況には企業間で開きがあることがわかった。海外事業戦略を検討・推進する上で優先的に取り組むべきテーマは「グローバル人材(事業推進者)の確保」(52.1%)が最多。前年からやや減少したものの、引き続き最重要課題として位置づけられている。一方で、24年度には上位を占めていた「各国の規制や法制度、商慣習への対応」(24年度52.8%)や「グローバル市場の理解」(同52.2%)が25年度にはそれぞれ34.2%、23.3%へと大きく減少し、制度理解や市場リサーチといった前提作業がある程度進んだ企業が増え、実行段階へシフトしていることが背景にあると考えられる。

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