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郵船、グループ260隻の管理データ共有する新システム

2018年12月3日 (月)

ロジスティクス日本郵船は3日、船舶管理業務の共通プラットフォームとして「NiBiKi」(ニビキ)と名付けたシステムを開発し、同日運用を開始したと発表した。船員の業務負荷を軽減することで、運航業務により集中できる環境を整える。また、本船から上がってくる情報を同社と船舶管理子会社5社、その管理船260隻の間でデータとして共有し、安全運航に役立てるという。

船員は安全管理マニュアル(SMSマニュアル)に基づき、船舶管理会社に安全管理に関する報告を毎日行うことになっているが、これまでは「船員がさまざまな報告書や申請書を作成し、船舶管理会社に対して電子メールで承認依頼を行い、承認された書類を監査などで提示するために印刷し保管する」という業務フローだったため、非効率な面があった。また運航船から報告された情報は、その運航船と所属する管理会社がそれぞれで独自に管理していたため、有効に活用できていなかった。

今回、運用を開始したニビキは船員の業務負荷の軽減を図るとともに、グループ・船舶間でデータを共有し、活用していくことを狙いに開発したもので、安全管理マニュアルの書式や申請・承認ワークフローを電子システム化した共通プラットフォームがベースとなる。

船員は、ガイドに従って所定のフォームに入力するだけで正しい手順で報告や承認依頼を行うことができる。これらの情報は自動で記録・共有される仕組みとなっていることから、短時間で正確に報告できるほか、システムを通して報告された情報を運航会社・船舶管理会社が共有し、ビッグデータとして蓄積することで、さまざまなデータを組み合わせた質の高いデータ解析が期待できる。

今後はビッグデータを活用して一層の安全運航につなげていくとともに、船員の教育や訓練なども組み込んだ包括的なシステムの構築を計画。機器故障や人身事故発生などの傾向を掴み、船舶管理会社と協力しながら運航船遅延時間(ダウンタイム)ゼロを目指す、としている。

▲運用開始のテープカット式の様子(中央)日本郵船の丸山英聡専務経営委員、(左)小山智之常務経営委員