話題日本出版販売(日販)は15日から、北海道で行っている書籍・雑誌の納品配送のうち、北海道地盤のコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」の店舗向け納品を出版専用便から切り離し、セイコーグループの流通業務を担うセイコーフレッシュフーズが配送する取り組みをはじめる。
出版物は専用の配送網を利用してコンビニエンスストアや書店などのするルートが一般的だが、北海道は書籍や雑誌の出荷拠点が集中する首都圏からの距離が遠く、ただでさえ流通量の減少や物流コストの上昇、トラックドライバー不足などで配送効率が悪化していたことから、日販はセイコーマートを運営するセコマと「新たな物流網の構築」を目指すことに合意。
検討を重ねた結果、小売商品の配送が中心となっているセイコーフレッシュフーズの配送トラックにセイコー店舗向けの書籍を「共同配送」することがきまった。セイコーは北海道で15か所の物流センターを拠点に、1日200台以上のトラックが延べ7万キロ以上を走行し、175の市町村に展開する店舗への配送を行っており、この規模で出版専用便以外を利用して共同配送に踏み切るのは初の試みとなる。
日販では、出版物の流通量が今後も減少を続けるとみており、首都圏から全国へ向かう出版物配送を持続可能なネットワークとして維持するため、「各地の特性を熟知したパートナー企業と協力し、他業界・他商材との共同配送を行っていく」方針。