話題全国港湾労働組合連合会(全国港湾)は14、15の両日、48時間のストライキを実施した。産別最低賃金をめぐり、経営側となる日本港運協会との交渉がまとまらず、22年ぶりとなる平日のストに踏み切った。中央労働委員会によるあっせん案を蹴った経営側に対し、組合側は「到底納得できるものはない」として、10連休をストの対象とする「さらなる上積み行動」を示唆している。
今回のストは、労働側が産別最低賃金制度に関して産別統一回答を求めたのに対し、経営側が独占禁止法に抵触するおそれがあるとして回答を拒否したことに端を発する。労働側が中労委に判断を求めた結果、2月15日には「独占禁止法上の問題とならない」「労使双方は、産業別最低賃金、真摯に協議を行い、その解決に取り組むこと」というあっせん案が示されたが、経営側は「問題にならない」と判断。
その上で「中央労働委員会が『独占禁止法上問題にならない』と言っても、中央労働委員会自体がその言葉に責任はない」と一蹴したという。
あっせん案をめぐり、これを受理した組合側と拒否を続ける経営側の対立がエスカレートした結果、組合は「中労委が示したあっせん案を公表し、社会的に如何に異常な対応かを問うことにした」と態度を硬化。経営側は労働条件の部分で修正回答を示したが、労働側は「検討に値するものはなかった」として、10連休のストを示唆しつつ、大幅な修正回答を要求した。
日港協は、スト回避のため「統一回答が独禁法に触れるかどうか、公正取引委員会に聞きに行く」と提案したが、全国港湾によると、同時に「リスクを避けるため産別制度賃金協定をいったん破棄する」「正副会長会議など、機関確認を経てからだ」との方針も示したことから、決裂が決定的となり、14日早朝からのストに至った。
全国港湾は今後の方針について、16日に記者会見を開いて詳細を明らかにするものとみられる。