ロジスティクス佐川急便は10日、大量の荷受けが発生する顧客に対し、一定の要件を満たすことで受領印対応を省略する「一括受領サービス」の本格運用を開始した。
対象は同社のスマート納品サービスを導入している企業で、貨物追跡システム上で「配達完了」となった荷物については、受領印がなくても受領したとみなすことで、入荷効率を大きく高める。
同社は2014年、EC事業者、ショッピングモールなどの入荷作業の効率化を支援するスマート納品を開始し、出荷までの作業にかかるリードタイムを短縮するなど一定の効果を上げてきたが、大量の入荷時であっても必要となる受領印対応にかかる時間に負担を感じる声が寄せられていた。
一方、配達完了時には貨物追跡サービスで「配達完了」を入力していることから、荷主があらかじめ合意していることを前提に、実質的にはこの手順によって受領したとみなすことが可能だと判断。大量の荷物の受領をウェブ上で一括して行う「一括受領サービス」として展開することにした。
スマート納品サービスでは、受託データ内でスマート納品を登録している荷受人を特定できることから、登録済みの荷受人宛てであれば送り状の発行を事前に制御できるようになり、ペーパーレス化を同時に進めることもできるようになる。
同社では5月と6月の2か月間にわたり、リネットジャパン(愛知県大府市)でトライアル運用を実施。この結果、荷受業務にかかる時間が平均15%短縮できたという。リネットジャパンは、作業時間の短縮や過去の入荷履歴の閲覧など、入荷効率を高めることにつながったと評価し、汎用サービスとして本格導入することも決めた。