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国交省、全ト協通じ運行管理の強化要請

フェリー乗船中の飲酒防止へ「抜き打ち」確認必要

2019年8月8日 (木)

ロジスティクス全日本トラック協会(全ト協)は7日、フェリー乗船中にアルコールを摂取したトラックの運転者が下船後に死亡事故を起こした事例を踏まえ、運行管理者が抜き打ちで乗船するなど運行管理体制を強化するよう、都道府県トラック協会を通じてトラック運送事業者に呼びかけた。

フェリー乗船中に飲酒した大型トレーラーの運転者が下船後の運行時にタクシーに衝突する事故を起こし、タクシーの乗客が死亡した2017年の事故で、事業用自動車事故調査委員会が調査報告書を公表したのを受け、国土交通省が全ト協に「再発防止策の積極的な取り組み」を全国の運送事業者に周知するよう通知。報告書で提言のあった再発防止策の積極的な取り組みを全国の事業者に求めた。

▲出所:事業用自動車事故調査委員会

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「運行管理形骸化し飲酒運転抑制できず」事故調指摘
阪神高速死亡事故で報告書公表
https://www.logi-today.com/348017

17年11月、大阪市平野区の阪神高速道路14号松原線で発生した大型トレーラーの事故では、大型トレーラーの運転者がフェリー乗船中に飲酒し、下船時には点呼を受けることもアルコール検知器で検査をすることもなく運転を開始。運転者の間では、フェリー乗船中の飲酒が常態化していたことが判明した。

報告書では、再発防止策として(1)実施状況や測定結果がリアルタイムで送信できる検知器などの導入を進めること(2)運行管理者が必要に応じ、抜き打ちでフェリーに乗船し、運転手の休息時間の過ごし方のを確認すること(3)運行管理者が電話することにより確実な点呼を実施すること――で、輸送の安全に万全を期すようを求めている。