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日本郵船、空気潤滑システム実験でCO2削減効果を確認

2012年7月9日 (月)

ロジスティクス日本郵船は9日、同社グループのMTI、日之出郵船とともに2年間にわたって実施してきた空気潤滑システムの実証実験の結果、実航海時で平均6%の二酸化炭素(CO2)削減効果があることを確認したと発表した。

 

空気潤滑システムは、空気を船底に送り込んで泡を発生させ、船舶と海水の摩擦抵抗を低減させる技術で、ブロア(送風機)方式による同システムの恒久的運用は世界初の試み。

 

プロジェクトは、竣工時からモジュール運搬船の「YAMATO(大和)」と「YAMATAI(邪馬台)」2船にシステムを搭載し、実際の航海の中で、(1)燃費削減効果の検証(2)さまざまな運航・海象条件下で船底に送り込まれた泡の動きの確認(3)送り込む空気量と効果との関係の検証(4)CO2削減効果の実証――を行ってきた。

 

2年間で収集した実船データを検証した結果、実海域での泡の吹き出し方の最適制御モードを特定することができた。CO2排出量の削減効果は、試運転時に測定した10%に対し、さまざまな気象・海象の下では平均で6%程度になることを確認した。

 

同社では「プロジェクトは世界初の恒久的運用への挑戦として進めてきたが、実航海でも省エネ効果を確認でき、大変意義のある結果を得ることができた」としている。

 

日本郵船、MTI、日之出郵船の3社は今後も実船データによる性能解析やドック時の機器レビューなどを通して、同システムの最適運用を追求していく。また、ほかの船種への搭載も積極化する。