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越境ECターゲット、「独身の日」の波動想定

ヤマトとロジザード連携、中国拠点自動化

2019年8月16日 (金)

国際ヤマトホールディングスは16日、中国現地法人の雅瑪多国際物流(広州)がクラウドWMS事業を展開するロジザードグループの龍騎士供応鏈科技(上海)と連携し、上海の物流拠点「上海ロジセンター」に自動搬送ロボット(AGV)を導入したと発表した。これにより、ヤマトは中国でEC事業を行う企業向けに、AGVを活用した「高品質な物流サービス」を提供する体制を整えた。

ヤマトが上海の拠点にAGVを導入したのは、中国で「日本からの越境」を含めたECが急速に拡大しているのが背景。特に11月11日の「独身の日」(光棍節)など、キャンペーン実施時の急激な出荷増には、これまで人を増やすこと一辺倒の人海戦術で乗り切ってきたが、一時的な人員では一定の作業品質を維持するのが難しく、物流企業にとって新たな課題となっている。

人件費の高騰や作業員不足といった課題は日本国内と同様で、「中長期的な対応が欠かせない」と判断した同社は、ロジザードが中国企業にOEMとして提供するWMS「e-倉管」と、世界で100以上のロボット倉庫プロジェクトに5000台以上のロボットを供給している北京極智嘉科技(ギークプラス)のAGVを導入。

▲ AGV導入拠点の概要

作業の大半を占める商品のピッキング作業、入荷時に商品を保管棚へ運搬・格納する作業を自動化し、作業効率を従来の3倍に高めて急な出荷増への対応や、キャンペーンなどの物流増に、人を増やさず品質を維持して物流サービスを提供できるようにした。

今後はEC事業を展開している企業に限らず、B2Bの小口多頻度店舗納品型のビジネスをしている企業、現在の物流品質に課題を抱える企業の需要を取り込むとともに、企業向け、個人向け両面で、より細かく顧客のニーズに対応していくため、中国で人工知能などのデジタルテクノロジーや自動化設備の活用を積極化させる。