ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

田中貴金属、米台韓に薄膜材料の供給拠点開設

2012年7月10日 (火)

拠点・施設田中貴金属工業(東京都千代田区)は10日、次世代半導体の微細化技術に使われる薄膜材料(貴金属プリカーサ)の供給拠点を台湾(新竹市)、韓国(仁川広域市)、アメリカ(コネチカット州)に開設し、今月中に供給を開始すると発表した。

 

これにより、半導体主要メーカーが集まるアジア各国とアメリカの現地顧客に対し、日本から貴金属プリカーサを輸出する場合と比べて納期を半分に短縮できる。

 

顧客はプリカーサのトータルコストを半減させることが可能になる。田中貴金属工業は、貴金属プリカーサに使用される3年間分のルテニウムを既に調達しており、安定的にルテニウムプリカーサを供給することができるとしている。3拠点で製品在庫を保管することにより、自然災害や社会インフラの障害などに対して製品サプライチェーン(供給網)のリスク分散を図る。

 

ルテニウムプリカーサを海外へ納品する場合、これまでは日本で製造して容器に充てんしたものを現地顧客へ輸送する必要があるため、発注から納品までに20日間程度を要していた。

 

今回、3拠点の開設で、日本で製造したプリカーサを供給拠点で容器へ充てんして在庫保管し、納品期間を10日間に短縮する。さらに、輸送費の低コスト化により、これまでの供給体制に比べて、顧客はプリカーサのトータルコストを半減させることが可能になる。

 

同社では、ルテニウムプリカーサを2017年までに年間10億円販売する計画で、今後は微細化技術に用いられる白金やイリジウム、ニッケルなど、ほかの成膜材料も3拠点で供給することを検討する。