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GROUND、20年初頭にも納入見通し

掴み設定の柔軟さに強み、スーパーピック公開

2019年9月5日 (木)

▲ハンド部分(シリコン製でエアー圧によって硬さを調節可能)

話題GROUND(グラウンド、東京都江東区)は5日、千葉県市川市の同社研究開発拠点「プレイグラウンド」で、近く販売受付を開始する米社製ロボティックピッキング「スーパーピック」の動作する様子を公開した。

自動搬送ロボットソリューション「バトラー」に続き、同社が今秋にも販売活動を開始するのは米ソフトロボティクス(SR)が開発したピッキング向けロボティクス「スーパーピック」。SRから国内独占販売権を取得したことを8月下旬に発表したばかりだが、すでにいくつかの企業から引き合いがあり、トライアル中の案件が期待通りの機能を発揮すれば、2020年初頭にも最初の納入事例が生まれそうだ。

▲販売部門責任者の北野峰陽氏

スーパーピックはSRが素材部分に特許を持つシリコン製ハンド、同社が開発したカメラとAI、産業用アームロボット、ソフトウェア、ロボット・ハンド・ソフトウェアをつなぐ専用コントロールユニット――で構成される。スーパーピックの販売を受け持つ部門責任者の北野峰陽氏によると、システムの「肝」は柔軟で正確なグリップが特徴のハンドにあり、「アームロボットは多様なメーカー製のものに対応する」のだという。

つまり、「売り」となるのはアームロボットそのものではなく、対象物に合わせたグリップ力を発揮するハンド、多様なロボットとハンドをつなぐコントロールユニット、設定が容易なソフトウェアの「組み合わせ」こそ、GROUNDが導入企業に提供したい「製品」であり、高速仕分けによってピッキングに特化した「機能」の提供がスーパーピックを販売する狙いであるといえよう。

▲エンジニアリング部門を担当するバヂアンアリウヌ氏

開発拠点で実演してもらったところ、動きの正確さ、多様なピック対象物に対応する柔軟さ、メンテナンス性の高さといった面で優れた性能を発揮するスーパーピックを目の当たりにすることができた。特にハンドの柔軟性については北野氏やハードウェアエンジニアリング業務を受け持つバヂアンアリウヌ氏の説明通り、確実に対象物を掴み、安定して仕分ける動作を見せてくれた。

▲ナイロン製のタワシなど柔らかい対象物も正確に掴み取る

例えばトマトとリンゴなど、大きさにあまり違いがなくとも硬さの異なるものや、生肉・生魚といった対象物を設定どおりに掴み、仕分ける能力の高さは一見の価値がある。処理能力は設定によって変動するが、分速40個から65個程度は見込めるという。

販売価格は現時点で「非公表」としているが、疲れを知らないロボットのこと、24時間稼働し続けることが可能であり、省人化や誤出荷の低減、コスト削減に威力を発揮しそうだ。