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福岡運輸、実例を挙げてAI導入のメリット解説

2019年9月24日 (火)

サービス・商品Automagi(オートマギ、東京都新宿区)は20日、都内でアマゾンウェブサービスジャパン(AWS)と「AI活用のデジタルトランスフォーメーションの成功方法」と題したセミナーを開催した。

この日はオートマギのAIソリューションを導入した企業として、福岡運輸(福岡市)業務推進部の生津瑠美氏が働き方改革に向けたシステム導入の意義を語った。

生津氏は導入に至った経緯について「運送業界は業務の多様化、複雑化に加えて『労働集約型』な業界。人手不足や高齢化、付帯業務の増加、コンプライアンスなどさまざまな問題がある」とし、労働集約型からの脱却を図り、効率化と生産性向上を考えたときに出てきたのがAIだったという。

とくに生津氏が注目したのが月間入力作業30万件のうち、22万8000件にも上る「受注入力業務」で、ファクスでの配送依頼書のフォーマットや入力ルールは付帯条項などもあることから顧客ごとにさまざまで、担当者の業務負荷も大きかった。そこで顧客に対して所定のフォーマットを利用するよう依頼し、付帯入力事項の見直しを交渉した結果、AIによるOCR(光学文字認識)の導入にこぎ着けた。

システムのコンセプトは「AIと人との協業」で、配送依頼書の確認と返信は人が、フォーマットの突合と読み取りはAIが、読み取り結果の確定と照合はまた人が行う。生津氏は「AIが万能というわけではないが、システムによって処理能力が安定し、生産性の向上が見込まれる」と話した。

また業務の効率化により捻出された人員余力は、労働時間の適正化や人員配置の最適化、人材育成の強化に充てるという。