ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

NECが描く2030年の世界観、ロジプラットフォームで全体最適化

物流分断・積載率低下、解決へ不可欠なIT活用とは

2020年2月5日 (水)

話題少子高齢化と多品種小ロット化の進展は、物流業界にドライバー不足、低い積載率といった課題をもたらし、荷主企業には在庫の増大、物流コストの上昇となって跳ね返った。こうした物流の現状に対し、NECは「調達、生産、販売といった段階ごとに個別で行われた最適化の取り組みにより、サプライチェーン全体で見れば物流リソースが分断された結果」だとみる。分断されている情報をつなぎ、サプライチェーン全体をカバーする司令塔が物流リソースを配置することで、全体最適化を図ることが可能という考え方だ。

2030年のイメージ(NEC)

同社が10年後(2030年)を見据えて描く「ロジスティクスの姿」の柱となって司令塔役を担うのが「ロジスティクスプラットフォーム」の存在で、倉庫内、トラック、船舶、鉄道、作業者、管理者といった、サプライチェーン上のさまざまな”物流現場”がこのプラットフォームによってつながる。その結果は、例えばこうだ。

2030年――。部品が必要となったあるメーカーでは、その情報がロジスティクスプラットフォームに直接送信され、すべてのメーカーの在庫状況、価格、倉庫の位置をAIが参照、最適な調達先を瞬時に確定して発注する。在庫情報がIoTによって可視化され、需要に合わせた供給が可能になる。

同時に、輸送手段の情報がプラットフォーム上で共有されることにより、最適なマッチングが行われるほか、気候の変動や災害などに応じて瞬時に代替輸送手段が導き出されるといった、物流リソースの最適配備が進む。空飛ぶクルマなど輸送手段そのものも進化し、交通手段が十分でない地方の生産拠点であっても都市部に引けを取らないロジスティクス環境を享受することが可能となり、都市と地方の物流格差解消につながる。

翻って2020年の現状はどうか。

物流企業は保有するトラックや倉庫といったリソースを有効活用し、保管効率や積載率の向上に取り組むものの、現実には限られた範囲・領域の中で最適化を図ることに注力せざるを得ない。結果として全体最適にはつながらず、営業用トラックによる直近の積載効率(輸送トンキロ÷能力トンキロ)は4割に満たない水準(国土交通省「2018年度自動車輸送統計」)まで低下する事態となった。

荷主企業も同様に「必要なものを必要な時に必要なところへ届けたい」と考える一方、物流コストや在庫は減らしたい。ここに荷主側と物流側の大きなギャップが存在するわけだが、サプライチェーンの情報や物流リソースは分断されたままである。

ここからどうすれば、NECが描く「2030年」にたどり着けるのだろうか。次回の記事(2月12日公開予定)でそのカギとなる同社のソリューション群を紹介したい。

関連リンク
Logistics2030-プラットフォームが実現する2030年のロジスティクスの姿-

国際物流総合展INNOVATION EXPO NECグループブース

NECの物流ソリューション