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ヤマニシ、2度目の会社更生法適用を申請

2020年2月3日 (月)

M&A帝国データバンクによると、宮城県石巻市の造船会社「ヤマニシ」は、1月31日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請した。

同社は、1920年3月に設立。石巻地区で老舗かつ最大規模の造船業者として知名度は高いが、設備投資負担やオイルショック以降の構造不況などにより77年9月に会社更生法の適用を申請(92年12月に更生手続き終結)した経緯がある。

近年は、漁師ごとに要求が異なる小型漁船の建造で培った技術力を強みに、外航貨物船、コンテナ船などを受注し業容を拡大、ピーク時の2010年3月期には年商198億2100万円を計上していた。

しかし、11年3月に発生した東日本大震災の津波により製造設備などが甚大な被害を受け、実質的な休業を余儀なくされたことで、12年2月に企業再生支援機構(現:地域経済活性化支援機構)の支援が決定。金融機関による債権放棄やメインバンクの支援を受けて再スタートを切り、同年11月には東日本大震災事業者再生支援機構が40億円を出資するなど、地域経済復興のシンボル的な存在となっていた。

14年1月には新造船に加え、修繕用ドック設備の復旧と船舶修繕業の再開を実現したが、受注は伸び悩み、18年3月期の売上高は68億9600万円にとどまっていた。また、災害からの復旧費用や減価償却費などが重荷となり、5期連続の当期純損失を計上、財務内容は悪化の一途を辿っていた。

RORO船や貨物船などの製造を主に手掛け、19年3月期は92隻の受注で年商111億7600万円に増加したものの、同期において42億円の債務超過に陥り、財務改善の見通しが立たず、今回の措置となった。

負債は債権者220人に対し123億円。