荷主エコマリンパワー(福岡市博多区)は5日、風力と太陽光エネルギーを船の補助推進力として活用する「エナジーセイル」の試作機を、寺本鉄工所(広島県尾道市)長者原工場内の「マリーンテック・テストセンター」で初公開したことを発表した。
「エナジーセイル」は、太陽光パネルを取り付けられる小型の帆で、搭載した船舶に風による補助推進力と太陽光による電力を提供可能。頻繁なメンテナンスを必要とせず、海上の厳しい環境でも耐えられる設計にしており、沿岸貨物船、ばら積み貨物船、タンカー、クルーズ船などの多様な船舶への搭載を想定している。
今回公開した試作機は、同社の戦略的パートナーで船の艤装品などを手掛ける寺本鉄工所が製作しており、今後エコマリンパワーは海上試運転に使用する太陽光発電パネルの選定を行う。
海運業界では、世界的な環境規制の高まりもあり、水素燃料電池などを活用した電動船やゼロエミッション船の開発が加速している。「エナジーセイル」はすでに海外船社から引き合いを受けており、今後注目を集める存在になるかもしれない。