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日本郵船、千葉工大とマイクロプラの外洋調査開始

2020年3月8日 (日)

環境・CSR日本郵船は6日、世界的な環境問題として注視されている「海洋プラスチック汚染」に対し、この問題を解決するソリューションの創出に向けた取り組みとして、世界中の海でマイクロプラスチックを採取し、分析調査するプロジェクトを千葉工業大学と開始する、と発表した。民間企業と研究機関が協力し、広範囲な海域でマイクロプラスチックの実態調査を行うのは世界初の試み。

日本郵船は、750隻の運航船ネットワークを活用して世界中の海でマイクロプラスチックを採取し、これを千葉工業大学がサンプル分析することで、サイズ・分布濃度・経年などが分かる「プラゴミマップ」(ビッグデータ)を作成する。3月からドライバルク船3隻による試行サンプリングを開始し、この結果を受けて順次調査の船種と海域を増やすという。

▲外洋調査のフロー(出所:日本郵船)

マイクロプラスチックとは、海中のプラスチックが紫外線や波浪の影響を受けて直径5ミリ以下の小さな粒子になったもので、これを採取した生物から食物連鎖を通じて海洋生態系全体に広がることが、人体にも大きな脅威となることが懸念されている。しかし現状では、どこに、どれだけの量の、どのような種類のマイクロプラスチックが浮遊・蓄積しているか、年間どれくらい増え続けているのか――といった実態は解明されていない。

同社は将来的に、自律航行技術を応用した「プラゴミ回収船」といった具体的なソリューションの開発と事業化も視野に入れ、今回の共同事業に取り組む。

▲プロジェクトの概要(出所:日本郵船)