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商船三井、池田社長「損益対策と実行」でリスク縮小

2020年4月2日 (木)

ロジスティクス商船三井の池田潤一郎社長は創立136周年を迎えた1日、全役職員に向けて創立記念日のメッセージを配信した。

▲商船三井池田社長

■池田潤一郎社長のメッセージ(要約)

昨年度は、2019年度後半からの世界景気の減速感や新型コロナウイルスの感染拡大といった厳しい環境の中で、経営計画「ローリングプラン2019」のもと、期初目標の達成に向け、皆で努力を重ねた一年となった。この先も決して楽観できる状況ではないが、まずは昨年度1年間、商船三井グループ全役職員のみんなの努力に感謝する。

新型コロナウイルスが猛威をふるい、感染拡大防止のため、人の移動の制限により、製品分野をはじめとした世界の貿易量に多大な影響が出ることは必至だろう。この異常事態は長期化することはあってもいずれは終息し、経済も回復に向けて動くはずであり、その機を逃さずいち早く攻めに転じる態勢を整えておくべきである。一方で、金融危機に端を発したリーマンショックとは構造が異なり、今回の危機は実体経済、心理的な面も含め、本当の影響は測り知れないものがあり、その意味においては、今回の感染拡大を引き金に、その後の経済情勢が大きく変化する可能性があるのではないかと思う。

このような危機的状況において、われわれがなすべきことは、大きな影響を受けるであろう2020年度の損益対策とその着実な実行だ。具体的には、輸送する貨物が消失することも念頭に置きつつ、発生するリスクを縮小させる策を講じること、現時点ではこれに尽きると思う。今年度はいわゆる「逆艪(さかろ)」を常に意識した事業運営を行っていく。

事業環境の悪化や変化した経済情勢においても、われわれが目指す姿は不変であり、その実現に向けた指針となるのが経営計画「ローリングプラン2020」であり、目指す姿としての「相対的競争力No.1事業の集合体」、経営方針3本柱は継続して取り組み、遂行を着実にしていくために、4月1日付であらたに次の体制を敷くこととする。経済情勢がいかに変化しようと、気候変動をはじめとする世界の環境課題解決は待ったなしであることから、環境戦略にサステナビリティ推進の観点も加えて、環境戦略・サステナビリティ推進担当執行役員を設置した。また、あらたにデジタル営業戦略担当執行役員、チーフデジタルオフィサーを設置するほか、グループ経営強化担当役員、国内地域戦略担当執行役員を設置する。

社内の組織については、現行の海洋事業部を原油ビジネス関連の海洋事業部と、LNG(液化天然ガス)ビジネス関連のガス・海洋事業部の2つの部に再編する。新規・環境事業推進部で担当していた洋上風力発電とその周辺事業は石炭・再生エネルギープロジェクト部に移管する。この狙いとしては従来の船種別の組織単位ではなく、プロジェクトの推進や顧客からの視点を重要視したものである。

厳しい事業環境においてもわれわれの事業基盤は安全運航とコンプライアンス順守にある。この2つの最優先事項を念頭に、まずは2020年度への影響を最小化する対策を実行し、ローリングプラン2020で掲げる目指す姿に向けて進んでいこう。