ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

国交省が「標準運賃」正式告示、運賃交渉の目安示す

2020年4月24日 (金)

行政・団体国土交通省は24日、改正貨物自動車運送事業法で設けられた「標準的な運賃の告示制度」に基づき、同日付で標準運賃の告示を行ったことを発表した。

労働者不足の解消に向けて、トラックドライバーが置かれている長時間労働・低賃金の環境を改善するために設けられた同制度は、荷主に対して交渉力の弱いトラック運送事業者が必要なコストに見合った対価を得るための目安運賃を提示するもので、改正法4本柱の最後の施策。

▲運輸審議会が開催した公聴会で制度・運賃案に対して賛成意見を述べる全ト協の馬渡副会長(4月2日)

改正法では、(1)規制の適正化(2)事業者が遵守すべき事項の明確化(3)荷主対策の深度化(4)標準的な運賃の告示制度――の4本柱を掲げており、標準運賃の告示制度は、2024年度から年間960時間の時間外労働の限度時間が設定されることを踏まえ、それまでの時限措置として創設。国土交通大臣がことし2月に運輸審議会に諮問し、4月14日に審議会から「提示する運賃は、必要なコストに見合った対価を得るためのものとして適当であり、課題解決に向けた施策としても適当である」との答申を受けて、国交省が正式な施行を急いでいた。

制度に強制力はないものの、トラック運送業の取引適正化を通じて運転者の労働条件を改善し、持続可能な物流を実現するための施策として期待されている。一方で、これには荷主側の理解と協力が欠かせないため、国交省はトラック運送事業者と荷主の双方に広く周知するための資料作りや直接的な働きかけが求められている。

関連記事
国交省「標準運賃」案を公開、改正法4本柱出揃う(20年2月28日掲載)
https://www.logi-today.com/368950
標準運賃告示、全ト協・馬渡副会長が「完全に同意」(20年4月2日掲載)
https://www.logi-today.com/372831
標準運賃案にゴーサイン、運輸審議会が答申(20年4月14日掲載)
https://www.logi-today.com/374113
-提言-国のトラック標準運賃案、書式統一に踏み込め(20年4月15日掲載)
https://www.logi-today.com/374276