行政・団体運輸審議会は14日、国土交通大臣から2月26日付で受けていた標準運賃の告示に関する諮問について、国土交通省が示した運賃案は「能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準としたものである」として、大臣が標準運賃として定めることは「適当である」との答申を行った。
また、審議会は答申とともに国土交通大臣に対する次の要望を提出した。
(1)中小事業者でも運賃の再検証や荷主に対する交渉力の強化に活用できるよう、具体的な算出方法などについて、できるだけ早期にわかりやすく丁寧に解説するなど、事業者に対して必要な指導・助言を行うこと。
(2)標準運賃告示の効果が下請け事業者やドライバーに対しても還元されるよう、事業者の取り組みを定期的に評価・分析し、その結果を踏まえて必要な措置を講じること。
(3)荷主の理解と協力が得られるよう、関係省庁と連携し、あらゆる手段を講じて直接働きかけるとともに、トラック運送業の取り組みに対する国民の理解促進に努めるなど、トラック運送業における労働条件の改善に資する必要な取り組みを行うこと。
国土交通省は、運輸審議会から運賃案を含む告示制度はトラック運送業の働き方改革に向けた取り組みとして「適当である」との答申を受け、早期の制度施行を目指す。これにより、2019年11月1日に施行された改正貨物自動車運送事業法の4本柱である(1)事業者が順守すべき事項の明確化(2)規制の適正化(3)荷主対策の深化(4)標準運賃の告示制度の導入――は、すべて制度に反映される見通し。
■運輸審議会から「適当」とされた標準運賃
■運輸審議会の答申書と要望