ロジスティクス日本郵船は14日、乗組員の承認のもとでコンピューターが操船操作を実行する有人自律船の実現のためのフレームワークを対象に、船舶の安全性を客観的に評価する船級認証を日本海事協会から取得した、と発表した。
コンピューターによる高速な情報処理技術やリスク分析により、乗組員が操船のために必要な状況認識と意思決定をサポートするこのフレームワークは、同社とMTIが共同で策定。2月20日に自律船に関する船級認証としては国内発事例となるコンセプト設計の認証を取得した。
海難事故の8割は不十分な見張りや操船ミスなどのヒューマンエラーが原因になっているといわれる。
日本郵船はこれまで、ブリッジ(船橋)内の乗組員同士の連携や正しい状況認識、判断のために利用できる航海計器の情報などを活用してヒューマンエラーを低減するコンセプトの運用や、安全管理マニュアルを用いて事故の低減に努めてきたが、「コンピューター技術の進歩により、人間の強みとコンピューターの特性を組み合わせることで、従来以上に安全性を向上させることが可能になった」として、パートナー企業との研究開発を進めていた。
今後は認証されたフレームワークを活用し「多くのパートナーと有人自律船のあり方について共通認識を持ち、協業することで有人自律船の実現を目指していく」としている。