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ラストマイル協組、EC需要取込みへ3PLと連携強化

2020年6月17日 (水)

ロジスティクス中小運送会社37社が加入するラストワンマイル協同組合(東京都府中市)は17日、3PLや倉庫会社などとの連携を強め、急増するEC宅配需要への対応力を高めるため、新たに「コラボビジネス構築プロジェクト事業部」を開設したと発表した。

物流業務の一括受託を掲げる3PL事業者や倉庫会社からの組合加入が増え、6月に入ってセンコーグループの埼玉南センコーロジ、柏センコー運輸、誠実運輸倉庫といった大手3PL系列の運送会社による参画が相次いだことを受けた動き。

運送会社に比べて経営規模が大きく、ラストワンマイル配送を担う組合加入会社から見れば「荷主」に相当する企業との連携を強化することにより、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う混乱を経てさらに拡大が進むと見られるEC市場の需要取り込みを図る狙いがある。

同協同組合は昨年10月に大阪府へと集配エリアを拡大しており、現在は愛知県を中心とする東海地方への進出を検討。7月からは「一日の取り扱いい荷数が倍近くになる案件の稼働」が決まっている。一方、物流大手は荷主の物流業務を一括して受託するビジネスモデルを掲げながらも、EC市場の拡大に処理能力が追いつかず、配送まで手が回らなくなっているケースもみられる。

今回の動きは、物流大手が「倉庫、フルフィルメント体制がそろっていても、配送システムは外注」という従来のスタイルから脱却しきれないことを見抜き、拠点運営と配送機能の「コラボレーション」を打ち出すことで、業容の拡大につなげる狙いがあるとみられる。

事業部のメンバーには大手宅配会社の出向社員が加わるほか、物流コンサルタントなども多彩な人材が在籍することになるという。