サービス・商品凸版印刷は25日、製造業や流通・小売業に向けて、電池交換や充電などのメンテナンスが不要なバッテリーレス表示機能付きRFIDタグ「ニアクロスD2.9」の提供を開始したと発表した。
RFIDの通信に使用される電力を電子ペーパーの書き換えに利用する省電力設計を行っているため、電池交換や充電などのメンテナンス作業を省き、電力なしで表示し続けられる。電子ペーパーディスプレイの表示変更にかかる時間は3秒程度と短く、10万回以上の書き換えに耐える。
通信規格は、製造現場で多く使用されているISO/IEC15693に準拠しているため、既存のリーダー・ライターを使用できるのもメリット。電子ペーパーは反射光によって視認されることから、バックライトによる自発光が不要で、太陽光の下でも視認性に優れる。
物流ラベルの貼り替えや指示書の作成などが不要で簡単に電子ペーパーの表示を変更したり、多言語で表示したりできるため、外国人労働者に対する指示や情報伝達にも適している。
単体で運用できるが、システムの設計、開発、導入・運用、サポートを提供する凸版印刷の製造DX支援ソリューション「ナビネクト」と組み合わせることで生産性・品質向上や作業効率化につなげることができる。
価格はオープンで、電子機器商社の丸文が販売を担当する。凸版印刷では「2025年までに20億円の売り上げを目指す」としている。