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日通総研調べ

外貿コンテナ・航空貨物輸出、2年連続マイナスへ

2020年10月7日 (水)

調査・データ日通総合研究所(東京都港区)は6日、9月までの輸送実績を踏まえて分析した今年度貨物輸送の見通しで、外貿コンテナ貨物と国際航空貨物の輸出がともに2年連続でマイナスを記録するとの予測を明らかにした。

外貿コンテナ貨物の輸出は9.2%の減少を予測。特に4-6月期はコロナ・ショックによる下押しで、前期からマイナス幅が大幅に拡大した。中国向けは小幅減に改善したが、欧米向けは3-4割台の大幅減で推移したとみられる。

各国で経済活動が再開されたり、経済対策が行われたりしたことで、世界経済の減速感は下期に一服するが「感染再拡大の影響で回復ペースは緩やか」で、「2年連続のマイナスが避けられず、減少幅も拡大」する。

海外の設備投資需要は回復の勢いが弱く、産業機械、工作機械などの機械類は低調な荷動きが継続、前年度水準を下回るという。海外工場の生産回復の遅れも押し下げ要因となる。「米中貿易摩擦の再燃・激化やコロナ再流行、コンテナ定期便の復便遅れ」で、さらに下押しとなる可能性にも言及している。輸入は2.6%減と前年度水準割れが続く。

国際航空貨物の輸出は13.5%減と2年連続のマイナスを予測。4-6月期はコロナ・ショックによる下押しで欧州線と太平洋線のマイナスが拡大し、半減を超える大幅減となった。アジア線も2桁減となり、全路線で3割超のマイナス。ただ、アジア線は「新型コロナの早期収束を受けて、回復基調が鮮明」(日通総研)となっており、感染再拡大の影響で下押しが長期化し、回復の勢いを欠く欧州線・太平洋線と明暗を分ける。

輸入は9%減と前年度水準割れが続く見通しだが、1-3月期はワクチン・治療薬などの医薬品、医療関連の緊急輸入が増えることで、押上げも見込まれる。

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