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埼玉・所沢市に新設拠点、百貨店向け物流効率化へ

2020年11月10日 (火)

認証・表彰関東の百貨店向け納品体制の効率化を目指し、2022年に埼玉県所沢市で新たな物流拠点が開設されることが分かった。国土交通省は、この事業を物流総合効率化法の総合効率化計画に認定しているが、実施事業者である施設整備者・倉庫事業者・トラック事業者の社名は公表していない。

(出所:国交省)

現在は、関東の複数百貨店に納品する商品のうち、アパレルは「千葉センター」に、日雑品は「神奈川センター」に一度集め、それぞれから複数店舗に配送する体制をとっているが、千葉・神奈川の両センターを埼玉県所沢市の新設物流拠点に集約し、さらにトラック営業所を併設することで、大幅な物流効率化を目指す。

国交省の発表によると、この取り組みでトラックの走行距離が減少し、二酸化炭素排出量が39.7%削減できるほか、トラック営業所の併設によってドライバーの手待ち時間が64%削減できるという。

■新設拠点の概要
名称:所沢市本郷特定流通業務施設(仮称)
所在地:埼玉県所沢市大字本郷字神明原8番他
アクセス:関越自動車道所沢ICから1.5キロ
延床面積:3万4667.64平方メートル

包材物流まで波及することを期待

百貨店業界の物流課題として、包材の取扱いも忘れてはならない。各社の包材は極めて類似していながらも、「屋号」「ブランド」の価値や独自性の尊重が仕様共通化の前に立ちふさがってきた。

消費者には無縁でありながら、長く抜本的に改善されていないのは、包材の保管拠点への入荷から売場への供給までの流れだ。図式化してみれば合理化の余地が大きいことは明らかなので、まだ旧態依然のまま手付かずならば、即着手すべきだ。

店舗への供給ロットの規格化と出荷単位梱包によるバーコード貼付などのデジタル化は、物流センターの業務合理化に不可欠である。店舗側の随意発注に応じてのバラ出荷などはコスト要因の最たるものだし、ミスの常在にもつながる。

各店荷受場までの配送完了後、店舗荷受場から別業者による各階各売り場への「発注分のお届け」なども、まだ行っているのであれば即刻廃止しても支障ないだろう。売場運営マターではなく、物流コストとしてカウントされているなら改廃は火急と判じる。(企画編集委員・永田利紀)