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英ダダルのクリック&コレクト導入、スーパーなど全国600店舗参画

ヤマト、生活導線上で受取可能な新サービス

2020年11月18日 (水)

ECヤマトホールディングスとヤマト運輸は18日、英国のダダルパーセルサービスの「クリック&コレクトシステム」を導入し、ヤマト運輸と契約した特定のECサイトで購入されたEC商品を、顧客の生活導線上の店舗で受け取ることができる、新たなサービスを24日発送(25日受け取り)分から開始する、と発表した。まずは600店舗から開始し、段階的に拡大を図る。

▲商品受け取りの流れ(出所:ヤマトHD)

ヤマトとダダル社は3月に「利便性が高く、デジタル化された新たな受け取りサービス」を提供することで合意し、8月からEC商品の受け取り拠点となる店舗の募集を開始。

その結果、関東を中心に展開する「マルイ」「モディ」や、全国展開するファッション専門店「はるやま」「フォーエル」、中国地方を中心に展開するスーパーマーケット「天満屋ストア」、福岡県を中心に調剤薬局やドラッグストアを展開している「大賀薬局」など、全国600店舗から申し込みがあったという。

このサービスを利用して商品を受け取る際の流れは、(1)ECサイトで商品を購入した後、ヤマト運輸から届くメールのURLから受け取り店舗を選択(2)商品が店舗に到着すると、二次元バーコードが添付された納品完了メールが届く(3)受け取り店舗にいき、二次元バーコードを提示し商品を受け取る――の3ステップ。

これにより、EC利用者は生活スタイルに合わせた場所で、二次元バーコードを提示するだけで荷物を受け取ることができるようになる。受け取り店舗にとっても、新たなシステム投資が不要で、専用端末を置くことでサービスを導入できるほか、受け渡した荷物の個数に応じた手数料収入が入る利点もある。また、自店舗の割引クーポンを発行する機能があるため、荷物を受け取りにきた顧客の「ついで買い」や、新規顧客の集客効果が期待できる。

ダダル社がすでにサービスを展開している国で調査した結果、サービスを利用するEC購入者の70%が受け取り店舗で買物をする結果が出ているという。

物流効率には寄与するものの

連日のようにBOPISやC&Cに関連するニュースが発表されている。物流面ではコスト寄与度が非常に高く、事業者側だけでなく消費者側にも同様である。

生鮮を含む食品類のEC購買では、不在再配達や置き配での鮮度や品質面での不安がぬぐい切れないという購入者も多い。さらには受取時間枠という拘束から解放されることを歓迎する声も相当比率になるはずだ。

本来的には「買い物ついでに受取りもできて便利」なのだろうが、今や、他店や他社ECでの購入者による「受取りついでに買い物する」を期待、となりつつある。要は、来店数を増やす方策として有効が目的の第一であり、勝負はそれからということなりそうだ。この先にあるのは、受取だけしか用のない店ではなく、ついでに用が足せる店で受け取りたい、という消費者による選好だ。

「受取場所にすらならない」という言葉を怖れる店舗は少なくないかもしれない。(企画編集委員・永田利紀)