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大和ハウス、AIで物流施設内の感染予防へ実証実験

2020年12月3日 (木)

調査・データ大和ハウス工業は3日、同社のマルチテナント型物流施設「DPL市川」で、NTTコミュニケーションズのAI映像解析ソリューション「COTOHA Takumi Eyes」(コトハタクミアイズ)を用いた感染症予防の実証実験を4日から開始すると発表し、現地で報道向けに公開した。

▲カメラ(左)映像からマスク着用の有無を検知し、モニター(中央)に検知結果と注意メッセージを表示する

実証実験では、施設内に設置したカメラの映像をAIが解析し、利用者のマスク着用の有無や、施設内のカフェテリアの混雑度を自動で検知。施設の入り口でマスク未着用の人に着用を促すメッセージを表示したり、カフェテリアの入場制限を行ったりすることで、施設内の感染症予防につなげる。

実験で使用する「コトハタクミアイズ」は、AIによる顔照合と全身照合を組み合わせて人物を検出したり、追跡したりするもので、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスク着用時でも人物を照合できる機能が追加されている。

▲マスク未着用者に着用を促す画面

今回の実験では、新機能の「コトハタクミアイズ マスク検知機能」を用いてマスク未着用の利用者に注意を促すほか、「混雑度可視化機能」を用いてカフェテリアの出入り人数を測定し、入場者が一定数を超えた場合、入り口のモニターに入場制限のメッセージを表示する。

モニターには、利用者が入場前に状況を把握できるよう、カフェテリアの混雑状況やリアルタイム映像が表示されているが、映像内の人物をシルエットで表示するなど、プライバシーにも配慮する。

▲カフェテリアの混雑状況を「空」「密」「超密」の3段階で表示し、入場者が一定数を超えたら入場制限のメッセージを表示する

NTTコミュニケーションズは、「現状70%ほど」だというマスク着用検知の精度を高めていきたい考えで、大和ハウス工業は、実証実験の結果を踏まえて「DPL市川」以外のマルチテナント型物流施設への導入を検討していくという。

千葉県船橋市で10月中旬以降に発生した物流施設内のクラスター(集団感染)では、マスクを着用している業務中ではなく、マスクを外すことが多い休憩や食事、喫煙などの場面で感染が広がったのではないかと指摘されている。

船橋市のクラスター2件、休憩時に感染拡大か