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厚労省、トラックサイトに発荷主向けコンテンツ

2020年12月7日 (月)

▲トップ画面のイメージ(出所:厚生労働省)

ロジスティクス厚生労働省は12月4日、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」に、発荷主向けの動画など2つのコンテンツを追加した。

新たに加わったのは、発荷主向けの周知用動画「今こそ始めてみませんか?トラック運転者のために、発荷主ができること」と、トラック運転者の長時間労働改善につながる施策などをイラストから確認できる「始めてみよう改善活動」の2点で、着荷主向けの動画も2月に公開する予定だという。

同サイトは、貨物を運送するトラック運転者の長時間労働の現状や、その改善に向けた取り組み、施策などを発信する情報サイトで、厚労省では「ポータルサイトの運営などを通じて、今後もトラック運転者の長時間労働の改善に向けた取り組みを行っていく」としている。

■「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/

国土交通省と連名発表ならなおよし、なのだが

趣旨としてはたいへん素晴らしい。運送業にとどまらず、荷主啓蒙や労務改善への協力喚起は心強い後押しとなるだろう。

記事にあるとおり、指摘された慣例や業務の圧は、荷主側の「それぐらいならかまいませんよ」「あぁ、ぜんぜん支障ないですよ」「もっと早く言ってもらえればよかったのに」という一言で解消できることが多い。

つまりは荷主の意識や指図以前に、業者側の「言いにくい」「お願いしたことがない」「他社が言わないことをうちだけ言うのはちょっと」などという自意識が自滅型労務悪化を招いているのも事実だ。

先般の「標準運賃」発表時にも同種の指摘をしたが、行政の後押しをより有効にするためには、業界団体と所属する各社は自発的にかつ継続的に声をあげ続けねばならない。

かたやで、業界の労働条件改善や適正利益確保による経営健全化が経済全体に及ぼす好影響を謳うなら、前回の標準運賃も今回の長時間労働改善も、厚生労働省と国土交通省の連名発表であってほしかった。さらには、物流業界に向けた新型コロナウイルスへの対処や方策指針の広報についても、相当数は連名のほうが好適と思われる。

目的と対象が同一なのだから、発信側も統一した方がよいことはここで指摘するまでもないことだろう。(企画編集委員・永田利紀)