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コンテナ不足深刻、CMA CGMが予約制限措置

2020年12月16日 (水)

国際仏CMA CGMは14日、船腹とコンテナ不足の深刻さが増しているとして、日本出港予定日の週より6週間以上先の新規ブッキング(予約)の受付を停止すると発表した。

足元では、船腹とコンテナ不足によってブッキング番号の発番や空コンテナの搬出に時間がかかっているため、6週より先のブッキングは受け付けず、出港予定日から6週間を切った段階で新規ブッキングする流れに変更する。

CMA CGMのほか、同社グループのANL、CNCの2社も同様の対応となる。

コスト上昇もやむなしの世界情勢

世界的なコンテナ不足が続いている。コロナ禍からいち早く立ち直り、旺盛な経済活動を取り戻しつつある中国への発注集中がその傾向に拍車をかけているが、特に深刻なのは米国だ。従来なら1本2000ドル程度の40フィートコンテナが、今や4000ドル前後まで値上がりしている。

大手の流通業者間では、比較的余裕のある20フィートコンテナでの代替を模索しているが、そうなると当然ごとく積荷効率が悪化し、トラフィック混雑の激化につながってしまう。

米国西海岸と中国の広州を中心とする貿易港を結ぶ航路での問題解決がなされるまでは、周辺国でも船便の確保難やコスト高に悩まされそうだ。

事業者側の自主規制は、可能な限りのコスト抑制を意図したものであり、安定した海運事業維持とサービス提供をあきらめることなく追及する良心のあらわれと評価したい。(企画編集委員・永田利紀)

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