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止めない物流・止める物流

2021年1月18日 (月)

話題2021年に年が改まった今も、新型コロナウイルスの勢いは衰える気配がない。多数メディアで論じられているとおり、自主規制や自己判断では事態解決は難しい状況にあると思える。医療現場と同様に、物流現場は一般的な「控える・減らす・止める」といった対処だけではことが収まらない業種。それゆえに、最適行動には行政との示し合わせのもとでの意思決定が求められる。(企画編集委員・永田利紀)

具体的には「なにを止めて、なにを止めないのか」に尽きる。心意気と体を張っての現場維持には、短期間の火事場しのぎとして業界をあげて取り組んできた。しかしウイルスの猛威が増しつつ流行がさらに続けば、すぐに限界が訪れるだろう。いっそうの事態深刻化と長期化が明らかな今、機能継続・維持の方策や具体案を業界内の各事業者に委ねるのは、あまりにも自助への依存度が過ぎるというものだ。

■感染対策と物流機能維持は根本的に相反する

(イメージ画像)

言うまでもなく、物流は生活インフラであり社会という生命体の血液である。社会経済活動における血流の滞りはさまざまな不具合や機能停止の障害に直結するゆえ、いかなる時でも脈々と流れ続けるように手当てされている。今般の疫病に限らず、天災や事故による交通障害の際にでも、あらゆる手段を講じての物流断裂回避がなされるのは、人間の生を維持するうえで不可欠な基本機能だからだ。

物流には人手が必要である。倉庫にしても幹線運輸にしても最終配達にしても、現段ではすべて人によるものとなっており、それが単独ではなく複数人数の連携や集合によって実行される。つまりコロナウイルス流行防止対策の徹底と物流機能維持は、根本的に相反する。

■「止めるもの」と「止めないもの」の線引き

だからこそ行政による「メリハリ」の中身とガイダンスの策定から公布、さらには「メリハリ」維持のための補償や褒賞などを早急に準備する必要があるのではないだろうか。運よく流行が衰えをみせはじめ、準備が無駄になるかもしれないが、そういう思惑外れは大歓迎だ。時限立法や緊急処置などは実行しないに越したことはない。

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今一度、われわれはそれぞれの我慢や自制を意識して覚悟を決めなければならない。やみくもに「動かす・維持する・稼働する」ではなく、「判別する・抑制する・停止する」の取捨選択を冷静になさなければならない。他国の方策や事例を参考にしての施策決定は当然であるし、発想の転換や専門家による有識者会議にとどまらず、国内のあらゆる方面からの知恵や発案を募るべきだ。野に賢人在りは歴史にあるとおりではないだろうか。

混迷の今、脳裏に旋回する鷹山公の至言を書き記す。

「働き一両・・・・・・見切り千両、無欲万両」

これを「稼働一両、停止千両、無欲万両」と置き換えるのは無理なコジツケなのだろうか。「稼働維持こそが最善で絶対条件」は”平時”の掟だ。国の大事にあたっては、施政者が権限と責任において「止めるものと止めないもの」の明確な線引きと宣言をする必要がある。少しの我慢を国民全員が広く浅く負担しなければならないことなど、言わずもがなで皆了解するに違いない。丁寧な説明と協力の要請が政府から出されたなら、その数日後から事態は好転すると期待できる。

■休止・停止を宣言できる状況を

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政治家は自律や自助への期待ではなく、規範と節制に対する自国民の性善説を採って事態の制御を図るべきだ。物流人のプライドは縁の下や視えない場所での地道な作業によって形作られる。しかし同時に生活者でもあり、罹患者になりえるひとりでもある。他の事業者と同じく、自衛を心がけるにあたっての基礎条件を整えることが施政者・経営者の任務だ。業界の各社が大手を振って休止・停止を宣言できる状況を望む。止めて支障ない物流機能は、事態の進捗に応じて、頻度や容量を減らすことで、業務圧を下げてもらいたい。

自律の上の停止や休止は、即日にフル稼働へと復元できる。しかし、不随意で不本意な「強制停止」は、復旧の制御が個々の判断や努力ではまかなえない。前もっての計画的な物流制限は、荷主と物流事業者の分析と情報開示によって、正確な行政判断が可能となる。

追い込まれる前に、メインエンジンを動かしつつ、減圧・減速しておく。官民の連携と生活者である国民の理解協力があれば、今すぐに取り掛かれることだ。速やかな着手を望んでいる。

■特集コンテンツ

(編集部) 

編集部/シーイーシー

編集部 

古本尚樹氏(防災・危機管理アドバイザー) 

編集部/エフバランス

編集部/鴻池運輸