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マツキヨ・ココカラ経営統合、物流効率化見込む

2021年2月26日 (金)

M&A10月1日に経営統合することに合意していたマツモトキヨシホールディングスとココカラファインは2月26日、経営統合契約を締結した。物流面では展開先のエリアでシェアを高め、1店舗あたりの物流コスト削減や共同購買による仕入れコストの削減を目指す。

両社の経営統合は、マツモトキヨシHDが親会社となるかたちで10月1日に商号を「マツキヨココカラ&カンパニー」に改めて持株会社となり、マツモトキヨシとココカラファイングループが並列で持株会社にぶら下がる組織を想定している。

店舗の展開エリアの相互補完、都道府県シェアの上昇によって物流効率の改善・1店舗あたりの物流コストの削減効果を見込むほか、システム統合を通じたコスト削減効果、店舗運営の適正化やマーチャンダイジング機能の強化、販売促進施策の効果向上などにつなげる方針。このほか、備品などの共同購買や決済面でも両社の仕組みを統一することで、コスト削減効果を図るという。

ドラッグ業界は新旧入り乱れての戦場に

売上高1兆円超となる今回の経営統合を聞いて、即座に思い浮かぶのは「物流拠点統合と改廃」「施設と運送の共通化」ではないだろうか。既存物流システムの統合には一定の時間が必要にしても、仕入から販売拠点までの物流統合は多大なコスト圧縮と機能強化に直結する。

競合他社は、体質強化のために物流機能改善とコスト削減という正攻法への着手が火急となるはずだ。

一方で、急伸する新興勢力の数社にすれば、先行する古豪大手の物流戦略を観察しながら最善手を選ぶことができる。おそらくは上位各社の物流業務の中から、自社では「しない」「要らない」機能や部位を明確化するための検証が主となるだろう。そういう視点での比較は非常に興味深いので、今後の各社動向を注視し続けたい。

生活用品販売業の色合いが強まるドラッグ業界は、隣接・重複するコンビニやスーパーマーケット業界を巻き込んで、物流機能戦争に突入することは不可避のようだ。(企画編集委員・永田利紀)