
▲輸入差止の推移(出所:財務省)
行政・団体知的財産侵害物品が含まれていたことを理由に、2020年に全国の税関で差し止められた輸入申告と郵便物の総数が3万305件にのぼることがわかった。差し止めの対象となった物品は58万9219点と42.2%減少したものの、差止件数は26.6%増加して3年ぶりに3万件を超えた。差し止められた知的財産侵害物品を正規品の価値に換算すると、136億円にのぼるという。財務省がこのほど公表した。
国別の輸入差止件数では、中国が2万5828件(前年比30.4%増)と全体の85.2%を占め、次いでベトナムが1374件(2.5倍)、シンガポールが845件(42.7%増)、フィリピンが635件(8.1%減)と続いた。
輸入差止点数では、中国が41万405点(31.1%減)、香港が5万8157点(3.2%減)、韓国が4万5994点(64.7%減)、ベトナムが2万8621点(3.8倍)だった。依然として中国を仕出しとするものの構成比が高く、ベトナムを仕出しとするものも急激に増加している。

▲商標権侵害物品の例(出所:財務省)
偽ブランド品などの商標権侵害物品が大半を占めるものの、偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品も増加傾向にあり、スマートフォンのグリップやスタンドなどの特許権侵害物品は前年の2.1倍に増加した。
2019年は差止物品の82.3%が一般貨物として輸送されたものだったが、20年は58.2%まで低下。新型コロナウイルスの影響で物流が滞留したり、越境ECが増加したりした影響で郵便物の割合が41.8%まで高まったものと思われる。

(出所:財務省)