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海運脱炭素化の国際ファンド創設へ、日本が主導

2021年3月16日 (火)

環境・CSR国土交通省は16日、欧州・アジア・主要船籍国などの10か国と国際海運に関する9団体が共同で、国際海事機関(IMO)に対し、海運の脱炭素化に向けた新たな国際ファンドの創設を提案したと発表した。脱炭素化のための研究開発・実証実験などを支援し、官民を挙げて取り組む「ゼロエミッション船」の早期実現が目的。提案に際しては日本が主導したという。

実現すれば創設後は毎年500億円、10年間で5000億円規模の国際ファンドが構築され、造船・海運・舶用メーカーなどが実施する、水素燃料船やアンモニア燃料船などの開発や実験が支援される。今後は日本が議長を務めるIMOの海洋環境保護委員会で6月に審議し、早ければ年内の合意を目指す。

▲国際ファンドの取り組みイメージ(出所:国交省)

環境保護は海からが良い

地球の画像を想えば、環境保護とは空気と水を護ることに等しいと分かる。その広い海を航行する船舶が、環境保護の先頭に立つことに全く違和感はないだろうし、万事うまく収まりそうなイメージが先行する。

さらにわが国がリーダーシップを取っての脱炭素化の開発・実証と聞けば、好感はなおさらに高まる。海洋国家であるだけでなく、工業国・工業技術開発国である日本の役割は、今後の国際社会でいかにあるべきか。

IMO発信の情報を、企業や個人の行動にまでかみ砕いて浸透させることは、政府機関や報道各社の役割として重要であるはずだ。本記事には具体的な方法論の先鞭として、意味深く考えるべき要素が多い。(企画編集委員:永田利紀)

IMO、日本主導の気候変動対策など16日から審議